798
実話らしい。
2003年、アメリカがイラク戦争に突き進んだ経緯とその裏で実名を晒された女性CIA工作員の物語が、硬質な筆致で描かれている。
面白かった。
私は実話ベースの映画については、話し半分で観賞する事にしている。
大筋は正しいのだろうが、映画的な演出や脚色は必ずあると思うからだ。
しかし、勉強にはなる。
この作品もそうだ。
チラッと調べてみたら、確かに”プレイム事件”という出来事があった。
当時、アメリカがイラクを攻撃した唯一の根拠が、大量破壊兵器の存在だ。
しかし、その有無が判然としないまま、アメリカは戦争を始めてしまったのだ。
義憤にかられた女性工作員の夫が、開戦に至る政府の欺瞞を新聞紙上で糾弾した。
これに対する政府の報復が、女性工作員の実名の暴露だったのだが、これは犯罪行為になるらしい。
後に政府の高官が実刑判決を受けている。
ざっと、このような事件だ。
実に勉強になる。
私は勉強が嫌いではない。(嘘)
人生は常に学びの連続だと思っているのだ。(嘘)
今回、このような新しい知識を得て、私は無上の喜びを感じているのである。(嘘つけ)
いや、マジでマジで
実際、大量破壊兵器は見つからなかったし、この事件で政府高官が逮捕されている事から、この作品で描かれている事は概ね正しいのだろうと思う。
CIAはイラクの核開発はないという分析をしていたのだが、政府はそれを黙殺した。
これに関して副大統領の補佐官がCIAの分析官を詰める場面がある。
その詰め方が実に憎たらしいのだ。
相手の言葉尻を捕らえて
「ん?どうなんだ?ん?ん?」
みたいな。
こんな上司おるなぁ・・・
と思いながら観ていた次第である。
最近、ナオミ・ワッツの作品を観ていないなと、ふと思った。
少し前は何も考える事なく、気がつけば彼女の作品を観ていたような気がする。
特に意識していた訳ではないのだが、なぜかナオミ作品を頻繁に観ていたのだ。
多分、ナオミの方が私を追いかけてきていたのだろう。
いやはや困ったものである。
しかし、最近とんとご無沙汰だったのだ。
そうなってくると、こちら側も気になってくるではないか。
そんなこんなで、この作品を観賞した次第である。
(実におめでたいですね)