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「フェア・ゲーム」に投稿された感想・評価

Kazumasa

Kazumasaの感想・評価

3.5
実話なので、どんなことが起こっていたのか、と背景を知るスタンスで鑑賞するのが良い映画。
911から丸20年の今だからこそ振り返って見えてくるものがある。モデルとなったプレイムゲート事件はリアルタイムでアメリカメディアの報道をよく見てた。「民主主義擁護の為にホワイトハウスからの圧力に立ち向かった勇気ある内部告発者」という視点のヒューマンドラマは素晴らしいし、その気概や意気込み、作品の出来は評価できる。善意と良心に基づいてる。その点に異論はない。キャストも好きな俳優たちだ。でも911からイラク戦争開戦に至る「核心」から人々を遠ざける結果を招いてるとしたら、何の意味も無い。

何故虚偽を重ね米国は強引にイラク戦争に突き進んだのか? ウソが露呈し恥を晒しても米国は対テロ戦争の基本方針を転換しなかった。イラクに続き、イエメン、リビア、シリアを内戦で火の海にし、アラブの春で各国の政権転覆も画策した。20年以上の米国の関与は、中東に死と破壊をもたらし地域情勢をメチャクチャにした。何のために、どうしてこんなことになったのか? 米国の国益? 権力の暴走? 無能だったから? 違う。イスラム諸国の民主化の大義名分、テロ討伐、石油権益の奪取は「核心」と関係ない。米国の軍事国家化や全体主義監視社会、大統領権限の強大化、軍産複合体の利益追求といった国内統治の問題も一部しか当たってない。米国はイラク戦争で超大国の威信を損ない、目的と反して反米イスラム武装組織を大量生産し、中東の泥沼で軍は疲弊し財政も悪化した。対テロ戦争20年で米国は獲たものより多くを失った。では何の為だったのか。米国をイラク戦争に誘導したネオコン・タカ派(本作にも登場するルイス・"スクーター"・リビーもその一人)は何を目的に戦略を描いたのか、その「核心」が本作では全く語られていない。

「イラク戦争は米国の国益追求の結果」? 違う。ざっくり言えば「イスラエルの国益追求、もっと正確には極右シオニストのユダヤ人の理想実現の為に子分のアメリカ合衆国が利用された」というのが正しい。それが「核心」だ。

911実行犯の支援もしてない、大量破壊兵器の製造・保有・使用もしてないイラクを潰して得をしたのは米国ではなくイスラエルだ。自国の宿敵で脅威、パレスチナ問題で絡んでくる反イスラエルの急先鋒だったイラクを取り除くのにアメリカを使った。自分の手を汚さず。そして中東に常駐する「番兵」としてアメリカを恒久的に使役するのが主な目的だった。小国イスラエルの存続のために、軍産官学メディアに強い影響力を持つユダヤ人勢力が経済力と智謀で超大国を巧みに操って、アメリカを中東の泥沼に引きずり込んだ、というのがイラク戦争の本質だ。

タカ派のチェイニーやラムズフェルド、ブッシュ政権を「民主主義の敵」と叩くのはバカでも出来る。黒幕に「ネオコン」を名指しするのも許容されてる。しかし「"ネオコン"の実態は、イスラエルの極右シオニストと一体化した在米のユダヤ系ファシスト知識人集団である」と、"不都合な真実"を言った途端、批判者は「ネオナチ」「ユダヤ陰謀論者」「反ユダヤ主義の人種差別」「トンデモ系」扱いでキャンセルされる。だが現実には、親イスラエルのロビー団体が米政界を牛耳り、共和・民主どちらでもアメリカの政権中枢で好戦的なユダヤ系ネオコンが政策立案を担ってる。多くの人間が知ってるのに見て見ぬふフリしてる。

面白い話を紹介すると、本作でナオミ・ワッツが演じる元CIA諜報員ヴァレリー・プレイムは、後に「背後にイスラエルの関与あり」「多くのネオコン・タカ派はユダヤ人である」と仄めかしたことで、「反ユダヤ主義」と叩かれ謝罪に追い込まれた。911や対テロ戦争の核心を語ろうとすれば、必ず「反ユダヤ主義」「陰謀論」のレッテルを貼られ、場合によっては社会的制裁を受けて"粛清"される。それが怖くて皆が黙り込む。真相究明しても必ずそこにブチ当たって行き止まり。「反ユダヤ主義」は絶対タブーの無敵の呪文で、それが鉄壁の守りになってる。

ユダヤ人の牙城であるハリウッドは、「ユダヤ人による米国支配」の問題を扱うことが構造的に出来ない。ハリウッドにとってもタブーと言っていい。そこにこそ病んだアメリカ政治の構造的問題と「核心」があるのに本作も結局そこに踏み込まない。踏み込めない。その闇を克服しない限り、所詮が掌の上で転がされてるだけの合衆国政府の偽善性や欺瞞の告発、綺麗ごとの「民主主義の理想」を語っても青臭く白々しいものにしかならない。ショーン・ペンほどの人までエスタブリッシュメント側の構造に取り込まれてしまう、逃れることが出来ない、そのことの方がよっぽど恐ろしい。
harunoma

harunomaの感想・評価

2.1
フェア・ゲーム
再再見。こんなにつまらなかったか。
ジャーナリズムネタという以外、これと言って良くない。
CIAはナオミ・ワッツ、家に帰ると無防備独断演技が許されるバージョンのショーン・ペンという自意識の人が現れて、何の転換にもならない。ダウナーなキャスティングがダグ・リーマンの悪癖。
利用した民間人が、組織の不手際により痛い目に合うシチュエーションは『スパイ・ゲーム』と同じだが、どんなに当事者のエピソードを長々と語っても、トニーのように一瞬で忘れがたい顔を捉えられないのだから、単なる物語で終わる。
個人と国家の闘争という要が、ご都合主義のように映画では写ってしまう。
kuskus

kuskusの感想・評価

4.2
実話
ブッシュ政権の政府高官がCIA職員の身元をリークし、情報の信頼性を崩す。ナオミ演ずるCIA職員がスケープゴートにされる。

早い展開で迫力あり、ナオミ・ワッツの最高の熱演。
正義を貫く、実話に基づく映画。
役者の演技の素晴らしさもあってか、なかなかに見応えのあるいい映画。
Fisherman

Fishermanの感想・評価

3.9
家族を守るのか、国に従うのか、ギリギリの葛藤と選択。正しいことをする難しさがよく表現されていて秀作だと思う。
イラク戦争はアメリカの国益である軍需産業を守り、結果、保身のためのでっち上げであることはもう周知の事実。
こういう映画を見るとつくづくアメリカって国が嫌いになる一方で、本作や「記者たち」のように正義を守ろうとした人達がいたことで捨てたもんでもないとも思える。
ブッシュJrをコケにした「バイス」でもあるとおり、歴代で一番ダメな大統領だったんだろう。
間違ったやつに権力を持たせると大変なことになるという教訓だな。
ナオミ・ワッツと本人が似ていてビックリ‼️。
Maoryu002

Maoryu002の感想・評価

3.4
CIAのヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)と夫で元外交官ジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)はイラクの核兵器開発を調査し、証拠は何も出なかったが、ブッシュ政権は疑惑を主張しイラク戦争を始める。ジョーがこれを批判すると、政府はヴァレリーの身分を暴露して報復し、彼女の協力者が危険にさらされ、家族の生活も壊れていく。

2003年頃から話題になった、いわゆる“プレイム事件”を題材にした映画で、激しい情報戦とバッシングを受ける人々の苦悩が描かれるが、ミニマムに夫婦の苦難を見ていて苦しくなる。
そして、いつの時代も権力者の横暴は恐ろしく、許しがたいものがあるが、特にブッシュ政権の汚さといい加減さには、はらわたが煮えくり返る思いだ。

疑惑だらけのイラク戦争の裏側を描いた作品は「バイス」「オフィシャル・シークレット」「記者たち~衝撃と畏怖の真実~」と数々あるが、この作品は家族、夫婦を軸にした、非常に我々が身近に感じられる作りになっているところが特徴だ。

キャストも渋い実力派が揃っているが、特にショーン・ペンの迫力のある演技、説得力のある語りが素晴らしかった。
Rodriguez

Rodriguezの感想・評価

3.8
リアリティある諜報政治ドラマと思いながら調べたら実話を基にした物語だった。
政府は恐ろしい。
ナオミワッツも快演。
ショーンペン的には『ザ・インタープリター』と並ぶ名作。
GOOD
実際の事件をもとにした映画の中では、ダントツに面白いと思う。

CIA関係の映画が好きな人は是非観て欲しい。
アメリカ政府の発言や権力の行使については、考えさせられるものがあり、それに対する夫婦の行動に注目。「間違っていることを言っている政府を正すのか、間違っていることを知りつつもそれを国民に公表するのか」
syu

syuの感想・評価

3.5
権力を持つと、古今東西真実を排除しようとする力が働くと感じました。
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