豊富なボキャブラリーを持ち上品な語り口の主人公は、振る舞いは大人のようだが、抱えている気持ちはずっと子供みたいだ。あんまりにも視覚的にも情景的にも描写が細かいので、第1話に関しては新海さんの実体験なのではないかと思ってしまった。
初恋をずるずる社会人まで引きずってしまった人、その人の残酷な優しさに振り回される人、初恋をとっくの昔に思い出として昇華できた人の物語。
友人は第1話「桜花抄」がひどく心に刺さったようだが、自分は第2話「コスモナウト」が強く心に響いた。花苗はずっと頭から離れない恋と、あの後どう向き合ったのだろうか。