くろまめ

秒速5センチメートルのくろまめのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
5.0
深海作品は何せ映像が綺麗。
映像だけ見てても飽きないくらい、光を効果的に使う監督だと思う。
時々ラッセンっぽい感もあるけど。



この作品、好き嫌いがはっきり分かれると思う。
ちなみに、私は好き派。



最初に観た時、感動して泣いて、鑑賞後すぐに山崎まさよしの『 One more time,One more chance』をダウンロードしちゃって、しばらくは余韻に浸たってウルっと来ていたくらい好きだった。



この感動をだれかと分かち合いたい!と思って母に観せると、泣いてねーし!「どうだった?」と聞いても「まぁこんなもんじゃない?」ってあっさりしてる。
この感傷が分からないなんて、不感症め。と思っていたら、レビューを読むと結構辛口評価多かったって言うどうでもいい話しがあった。



まぁ、冷静に観たら地味な男の、いつまでも1人の女を忘れられずに、グチグチと引き摺ってる話しなんだよね。




でも、その根暗さが映像の綺麗さと挿入曲の良さで、すっごく胸に響くように描かれているの。
やっぱり私は好きだなぁ。
作品中に流れる天門の曲がまた美しくて、何か浄化される気持ちになる。



こう言うストーリーの作品を観ると、未練がましいのは男だな。と、自分の女としての逞しさを実感したりする。
でも、未練がましいのが必ずしも悪い訳じゃなくて、普段は強がっているのに、繊細な部分があるって魅力的だと思う。




男の人のその感傷の部分があるからこそ、この作品みたいな、綺麗な物を造れるんだろうなぁと思うし、悔しいけど、その深い所の気持ちは女の私には
全てを理解出来ないのかもしれない。



大人になって観直すと、確かに母が泣かない理由も分かり、あら、意外とただの初恋は甘酸っぱい話し?とも受け取れた。
初見の時は涙止まらなかったのになぁ。と、自分の成長と純粋な何かを置いてきてしまった様な気がして、それはそれで感傷的になってしまった。



でも、そう言う感情全部引っ括めて、私はこの作品が好きです。
この作品が好きって人とお酒飲んだら、分かり合えるんじゃないかなと思うくらいは好き。
例えわかりずらいね(^_^;)



とにかく、まだ観てない人には是非1度観て欲しい作品です。
くろまめ

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