くろまめ

ブタがいた教室のくろまめのレビュー・感想・評価

ブタがいた教室(2008年製作の映画)
4.0
あーもう!ブタ可愛い過ぎ!
あのおしり!ヒヅメ!
プギプギ鳴くのも可愛い!



この作品想像以上に良かった。
ラストはずっと泣いてしまった。
おかげで翌日顔が浮腫んでブタみたいだった。




冒頭から妻夫木が「ブタを飼って、育てて食べる!」って言って子ブタを連れてくるんだけど、やっぱり可愛いから、生徒は『食べる』の部分より『飼う』の部分に夢中になる。
名前まで付けちゃったら、もう家畜じゃなくて、仲間だよね。




最初は小屋の掃除も餌やりも慣れない事ばっかだったけど、やっぱり6年生。
みんなPちゃんの為に頑張るし、明らかに成長して行く。
誰も不満言わないのが凄い!
子供って、親が思っている以上に色んな事考えてるなぁ。って感心した。




特に、Pちゃんをどうするか?って学級みんなでディベートするシーンは素晴らしかった。
このシーン台本無かったらしい。
大人にはちゃんと台本あったけど、子供たちには白紙で、自分たちで考えて発言してたって知って、頭が下がった。
命についてあんなに的確に言葉にする事私には出来ない。
子どもだからって、意見を聞かないのは間違っていると感じた。
たかが子どもだと侮っていたら、足元掬われるぞ!って程的確に、率直に意見を言う。




毎日食べている肉、魚、生き物の死無しでは私達は成り立たない。
『命をいただく』って日常だけど、凄い事だ。
ただ、それが1年間育てて来た仲間なら話しは別だ。
スーパーの無機質な白いパックに入って並んでいる肉と、毎日ブラッシングしていたPちゃんを一緒に見ろって無理な話しだよね。




ずっと観ながら考えていた。
私ならどうするんだろう?って。
『食べる』か『食べない』か。
どっちが正しいなんて無いし、むしろ正解なんて無いのかもしれない。
それでも12歳の子どもたちが、答えを出さなきゃいけないなんて、辛いだろうなぁ。
生徒たちの一言一言が胸に残る。




途中までは色々言っても、物理的に飼い続けるのは無理だろうから、食肉センターに送るしか無いよね。って大人として一線引いて観ていたけど、後半になると、あ、無理だ。私なら食べない。てゆーか、食べられない。って自分に置き換えてしまった。
豚肉は大好きだけど、Pちゃんは無理だー!




この話し実話なんだよね。
しかも、実際は2年半もPちゃんと過ごしたらしい。
これは悩まない訳無いでしょう。




すっごい賛否両論ある作品だと思います。
今でこそ『食育』って言葉に置き換える事出来るけど、命の大切さを動物実験しただけ。って受け取る人もいるし、もっと違うやり方があったんじゃないか?子どもたちにトラウマ与えてしまったんじゃないか?って受け取る人もいる。




本当にあった実話だし、映画に出演した子どもたちも本気でぶつかった。
私にはそれに対して意見する気無いけど、確かにいた命を忘れない。って事が大事なんだって思った。




こう言うテーマの作品は色んな意見があっていいと個人的には思ってます。
みんな同じ考え方なんてつまらないもんね。
観て良かったなぁ。
Pちゃん可愛い!
くろまめ

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