きゃんちょめ

秒速5センチメートルのきゃんちょめのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
4.5
【回顧的美化について】


これはほんとに無理。マジで無理。なんで無理とかじゃなくてほんとに苦手な映画。この映画にヘドを吐きたくなる俺が嫌いやけど、それでも嫌いや。

え、てか、1話に関してはさっさと会えよって話じゃねぇの。マジで。駅のホームで電車の乗り換えが書いた紙が風で飛ばされるシーンで『おい童貞!もっとしっかり握っとけや!』って思ったし、一回のキスで魂とか心の場所が分かったとか言っててマセガキがなに言ってんのかなって感じだった。心とか魂とか何を言ってんすかね。こういう背伸びした童貞が一番ムカつくんすわ。中二病も大概にしてほしい。てか絶対引っ越ししたら、そこでさっぱり忘れて定着して楽しくやるのが子供のマインドだろ。こんな文通して昔を思い出し続ける子供なんていねぇわ!もっと俺らの子供時代はバカやったし絵文字で都庁とか描けるわけねぇだろ!なんだそのハイセンスな子供!つーか俺の知ってるガキの字はもっと汚くて脈絡もねぇ!『あなたも少しずつ変わっていくのでしょうね』『あなたはこの先も大丈夫だと思う』ってそんなこと書ける女子中学生がおるか!!!いったい精神年齢何歳なんや!大雪で電車が遅延するっていう展開はなんなの。コメディなんすかね。あとああゆう黒板の落書きみたいなイタズラは実は嬉しかったりするやつだろ。もっと複雑なんじゃねぇの人間の心理って。こんな"綺麗"なだけなの?


この映画全体に漂う厭世観とか、"二度と戻ることのできない失われた青春感"みてぇのがほんと無理やわ。

『その瞬間、永遠とか心とか魂とかいうものがどこにあるのか分かった気がした。13年間生きてきたことのすべてを分かち合えたように僕は思い、それから次の瞬間、たまらなく、悲しくなった。その温もりをその魂をどこに持っていけばいいのか、分からなかったからだ。』

→いや前半と後半矛盾してね。おまえ魂の場所よく分かってねぇじゃん。あと13歳が何を言うとんねんと。あとキスしたら悲しくならねぇだろ。絶対おまえ嬉しかったやろ!!!

2話の種子島編に関しては、てか、メールくらいするわ!その度に気にされるとかマジで意味が分からん。え、てか大学をどこにするかを好きな男の進学先で決めるとか意味が分からない。お前に夢はねぇのか。あと書いてるメールの内容もほんとやめて欲しい。出すあてのないメール書いてどんどん保存してるとかおまえ狂ってるよ。


件名:今日の夢
異星の草原をいつもの少女と歩く。いつものように少女の顔は見えない。空気にはどこか懐かしい・・・ってアホかボケ!なんっだこの質の低いポエム!やるならボードレールくらい引用しろ!フランス語で書け!実はたいして頭もよくねぇだろおまえ!


あと振られても別によくね。逆に可能性が開けてるのが青春じゃん。恋なんか成就したらおまえ、青春終わっちまうやんけ。 なにこの振られた人は退場する感じ。変な男にひっかかった純粋な澄田花苗ちゃんがかわいそうでたまらん。


え、あとさぁ、高校時代とかみんなもっと空虚だったじゃん。嘘ついてんじゃねぇよ。性欲と見栄に支配されてて、本当の感性がなんだかなんて誰もわかってなかったやんけ。なんですぐこうやって綺麗なアニメ作って美化すんのかなあ。いや、ほんとこのアニメ綺麗っす。そこがまた悔しいんす。空の色とかもう最高ですわ。

ただ、言わせてくれ!高校時代はこんな綺麗じゃねぇだろ!俺は死んで首だけになってもそう主張してやる!俺の知ってる青春ってのはクセェんだよ!汚ねぇんだよ!混乱してんだよ!



第3話に関しては、もう意味がわからん。まず仕事はやめないほうがよくねぇか。てか、引きずりすぎじゃね。水野さんは1000回もメールしてたのに心が1センチしか近づかないって普通にお前ひどくねえか。なにこの俺かっこいい感。

あと、女子はああゆうもんじゃん。割とすぐ切り替えていけるそういうサバイバル性があるじゃん。なんで、こいつはいつまでたっても大人になってる振りだけをしてんの?なんも変わってねぇな。ずっとかっこつけてるだけじゃん。背伸びすんじゃなくて、ちょっとは前に進もうぜ。


とりあえず目の前にある仕事を死ぬ気で頑張ってみるっていう発想はねぇのか。え、てか、ビックになって新聞広告に載って、あかりちゃんが家庭で夫と、ある朝たまたまみた新聞に自分の名前を見つけさせるとかそういう発想はねぇのか。山崎まさよしの歌詞は、女の側から見たら、むしろそういう解釈も可能な歌詞になってるじゃん。新聞広告の話、歌詞中にでてきたし。

本当のバカ童貞ならそこまでやるんだよ。『市民ケーン』みてぇな。おまえは童貞になるのはダサいと思って背伸びしてるくせに強烈に童貞臭い。なんなんだこいつは!あかりちゃんが大好きなら仕事頑張れや!仕事やめてんじゃねぇよ!まだまだ世の中これから何があるかなんか誰にもわかんねぇじゃねぇか!なんかに熱中してるうちに、ある日ふっと真理に気付いてる、それが男たちの成長の仕方じゃねぇの?悟ったようなツラしやがって。

なんでこの主人公は最初っからシラけてるんですかね。とりあえずなんか打ち込んで大失敗して恥をかけよ。そしたら意外と吹っ切れたりするもんじゃないですか。


あれ、なんで最後の5分で涙が出てんだろう。ちくしょう!なんで俺が泣いてんだ!くそが!山崎まさよし!やめろ!これは反則だ!このシークエンスは反則だ!


絶対見たほうがいいっすよ。

いやぁ、素晴らしい。

映画って本当にいいものですね。
きゃんちょめ

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