Taeisheautonさんの映画レビュー・感想・評価

Taeisheauton

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私のレビューは、誰かに読ませようとか、他人の意見や他人の映画の見方を変えようと思って書いていません。誰かに伝わる必要も感じていません。映画の解釈は鑑賞者の数だけあって人それぞれだと思います。私は私にとってのその映画の意味をひたすら書いています。映画を観る時は、自分にとっての意味を汲み取らねば何にもなりません。映画はあなたにとってはどんな意味を持ちましたか?

映画(150)
ドラマ(0)

劇場版『リケ恋~理系が恋に落ちたので証明してみた。~』(2019年製作の映画)

1.0

【文系と理系とは何か】

文系と理系についての二項対立的な考え方には、パターンAと、パターンAを反転させたパターンB、そしてパターンCの、全部で3パターンの人々が存在している。その3つのパターンを以下
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偽大学生(1960年製作の映画)

-

【ライプニッツ(1646-1716)とスピノザ(1632-1677)について】


この物語の原作は大江健三郎であり、大江健三郎は、スピノチズムに強い影響を受けているので、スピノチズムとは何かについて
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27クラブ(2017年製作の映画)

-

偉大なアーティストは、27歳で死ぬことになっている。

⑴ジャニス・ジョップリン
⑵ジミ・ヘンドリクス
⑶カート・コバーン
⑷ピート・ハム
⑸ブライアン・ジョーンズ
⑹ジム・モリソン
⑺ジャン=ミシェ
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太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.5

【パトリシア・ハイスミスがいっぱい】

『太陽がいっぱい』は、パトリシア・ハイスミスの作品だ。私はパトリシア・ハイスミスという作家が好きである。

そこで、あえてパトリシア・ハイスミスについて、スラヴ
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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

4.9

【感情論とコミュニケーション】

感情に流されるのはよくない。盲目的に感情の虜になるのはよくない。しかし、「そんなことをしたら感情論になってしまう!」とか、「感情抜きに理論を構築するべきだ。」などと
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風と共に去りぬ(1939年製作の映画)

4.8

‪クー・クラックス・クランの隊長アシュリー・ウィルクスの妻メラニー・ハミルトンさんと、レット・バトラーさんの間に育まれる、正真正銘の本物の愛と友情と尊敬と信頼が、この作品のキモである。

スカーレット
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

【エンドゲーム感想】

1. ソーと母親フリッガの会話に象徴されるように、エンドゲームは、<もう既に存在しない死者>までが参加するような戦いだった。この映画は現在の人々だけではなくその背後を支える死者
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パッション(2004年製作の映画)

-

2004年の5月に俳優のメル・ギブソンによって作られたイエス・キリストの受難についての映画『パッション』は全編が古代アラム語とラテン語で作られている。アラム語の研究者であるロサンゼルスのロヨラ・メリー>>続きを読む

バイス(2018年製作の映画)

4.0

新元号「令和」を迎えるにあたって、私が最近、この映画に触発されて、政治と新カント派について冷静に考えたことを書いておく。

前提として、私は民主主義者である。それはつまり、民主制をまだ諦めていないとい
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恋人たち(2015年製作の映画)

-

現象するのは変化です。変化が現象するのであって、現象が変化するのではありません。アレテイアーとは、シグニフィカントなシグニフィカンス(意味=本質)が掴まれることです。つまり、意味のあとで変化を知るので>>続きを読む

バンブルビー(2018年製作の映画)

5.0

結論から言うと、トランスフォーマー・シリーズを一度たりとも見たことがないというあなたにオススメの映画です。

あと、過去のトランスフォーマー・シリーズは途中からものすごく詰まらなくなったことで有名だけ
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運び屋(2018年製作の映画)

4.4

【運び屋について】

電気グルーヴのピエール瀧が、コカイン使用で逮捕されたので、それではコカインが出てくる映画を観ようと思って、これを想起した。

ゆっくりと動く老人の身体を描いた映画といえば、デヴィ
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ちいさな哲学者たち(2010年製作の映画)

-

【哲学が役に立つ学問であることを複数の角度から説明するエッセイ】


【「無知の知」は知なのか】

「無知の知」という言葉がある。しかし、知らない事柄について、知らないと知ることは可能なのだろうか。
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マルクス・エンゲルス(2017年製作の映画)

3.9

あまり知られていないことだが、カール・マルクス(1818-1883)は、シャトー・マルゴーという高級ワインを日頃から飲むような人間だった。ちなみに、マルクスの趣味は馬術と拳銃である。あと、これもそんな>>続きを読む

炎628(1985年製作の映画)

5.0

戦争映画の中で私が一番好きな映画です。リアルな描写で有名らしい『プライベートライアン』とかいう映画の500倍リアルな映画です。もしあなたが戦争映画が好きならば、私は絶対にこの映画をお勧めします。もしあ>>続きを読む

サウルの息子(2015年製作の映画)

-

絶滅収容所において、人間は余分なもの(superfluousness)となる。余分さとは、有能さの対義語としての無能さでは全くない。人間が有意味の対義語として意味を持った無意味な存在になるのでは全くな>>続きを読む

フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館 3D・4K(2015年製作の映画)

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【16世紀イタリアのルネサンスとはそもそもどういう情勢の時代だったのかについての情報収集】

15〜16世紀のフィレンツェのリーダーは、まずロレンツォ・デ・メディチ(1449-1492)だ。エラの張
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

5.0


【この映画は、哲学入門の最高傑作だ】

『差異と反復』という哲学書がある。フランスの哲学者ジル・ドゥルーズの論文だ。それについてこれから少しだけ話す。なぜなら、この映画とものすごく関係が深い論文だか
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

5.0

【この映画は私のようなラジオを聴いて育った人間には涙腺が決壊するシーンがある映画である。】


あまりにも素晴らしいタイミングで、あまりにもラジオに対する愛のある音楽が流れてきて、音楽を"見る"のでは
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

4.5

【「男」と「女」についての考察】

小学校の高学年の段階からもう既に女の子は現実的になっていく。彼女たちは、この時もう既に「自分だけは特別な人間だ」などとは思っていない(「私だって確実に死ぬわ」)。彼
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

5.0

この映画は、
素晴らしい映画である。

私がこんな直球で、シンプルな映画評を書くことになるとは思いもよらなかった。

この映画は、最高にオシャレで、楽しくて、かわいい映画でした。僕の大好きなイギリスの
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STAND BY ME ドラえもん(2014年製作の映画)

1.0


【『ドラえもん』におけるのび太の極めて高い知性についての考察】

のび太というキャラクターは、まったくドジではない。公式設定では、ドジで頭が悪い少年ということになっているらしいが、それは公式設定が間
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アノマリサ(2015年製作の映画)

5.0

深い映画だった。

サルトルの『嘔吐』に匹敵する精神病者の手記である。断言するが、サルトルの『嘔吐』に匹敵する映画作品があるとしたら、これ以外にはない。

この映画を見たものは、強烈なめまいを感じるだ
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.4

【The 15:17 to Paris】

旅行へいく機内でこの映画を見た。あのトイレから出てくるやつがテロリストだったらどうしよう、とか私も機内のイスの上で思ったが、まぁ怖いので、この批評を書いて気
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

【『大統領の陰謀』と『シークレットマン』と『ペンタゴンペーパーズ』と『フロストニクソン』はひと続きの連続ドラマである。これらの4つの映画群は全てがお互いを補い合って連携している。たとえば、『ペンタゴン>>続きを読む

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017年製作の映画)

4.0


⑴すっごく面白かった!
フライトの中で鑑賞しました。
最初の15分でもう完全にトーニャに感情移入してしまった。

トーニャ・ハーディングかっこいい!
トーニャのお母さんラヴォナの演技も素晴らしい!
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英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

5.0

【※劇薬批評なので注意】

この映画ほど誤解されている映画はない。


【この映画は、イギリスの国王が、うまくしゃべる方法を訓練して、ついにはうまくしゃべれるようになって民衆を動員することができて、ヒ
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

5.0

【ソラリスについての批評】


【考えないことにしているもの】(=抑圧されたもの)も受肉するけど、【実際には現実化しなかったけど意識には上ったり上る可能性があったこと】も受肉するのがソラリス空間です。
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ぼくが数学を嫌いな理由(2012年製作の映画)

3.0


【数学用語の私なりの解説。】


証明とは公理から推論規則(モーダスポネンス、背理法など)をつかって定理を導くことである。数学者の仕事は定理の証明である。ではその証明について考えているのが数理論理学
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

5.0


【映画『ブラックパンサー』はマジでヤバい。】



いかなる共同体もそもそも安定など全くしていない。すべての共同体は常に、フェイクである。日本国だろうが、アメリカ合衆国だろうが、大学のサークルだろう
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

5.0

【ひとつの哲学としてのスターウォーズ8】

初めにこれだけは書いておく。スターウォーズシリーズで一番面白いのは、明らかに、どう考えても、エピソード8であり、エピソード8が駄作だとか言ってるのは、マジで
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.0

キリスト教徒は、あの場面で棄教しないだろう。しかしキリストは棄教するだろう。なぜならキリストはキリストであってキリスト教徒ではないからだ。これが、この映画に対する私の感想のすべてである。ここから下は、>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

-

イギリスという国は、そもそも1066年にノルマンディ公ウィリアムが入ってデーン朝を征服しており、これはノルマン・コンクエストとしてよく知られている。

イングランド王家が征服王朝であることは紛れもなく
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愛、アムール(2012年製作の映画)

5.0

冒頭の『昔のイメージを壊すような昔話はしないでね』というセリフがこの映画のテーマだと思う。

ミヒャエル=ハネケの映画は『ファニーゲーム』が強烈だったので、こんなに優しい映画をハネケが撮っていたとは思
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エル ELLE(2016年製作の映画)

4.0

ミシェルは被害者であり、加害者遺族であり、母であり、娘であり、元妻であり、良き友であり、敏腕社長であり、女であり、そしてそのどれでもない。

この映画は、あらゆる単純化・イメージ化・物語化の欲望を裏切
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こころ(1955年製作の映画)

5.0


【『こころ』という作品はマジでヤバい。】

大逆事件(1911年、明治44年)と『こころ』は同じ構造が鏡に映って逆立ちしている。大逆事件は天皇を暗殺しようとして失敗して死ぬ話であり、『こころ』は
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