桜子

ラスト サムライの桜子のレビュー・感想・評価

ラスト サムライ(2003年製作の映画)
4.0
いい映画に出会えたと私は心から思います。
トム・クルーズさんを始め登場人物の演技や殺陣も一見の価値があると思います。
たかを演じた小雪さんの凛とした美しさや身のこなしの上品さに同性ながらうっとりしてしまいました。
勝元を演じた渡辺さんや氏尾を演じた真田さんの目だけの演技が素晴らしかったです。
あえて不満を言うなら侍が初めて登場する場面に生えている木だったことくらいです。
「武士道とは死ぬこととみたり」=「死こそが美しい。」のではなく、如何に生きたかによってその人の死が美しくなるのであることを教えてもらいました。
友人には「武士は何かというと死にたがる。死にゃぁいいってもんじゃない。戦死がかっこいいとでも思っているのか」と言って武士道を嫌う人もいるのですが、「常に死を意識しているからこそ自分の生に責任を持つことができる。」というのが私の解釈した武士道です。
武士道を貫くことのできる侍は、たとえ戦ではなくどんな死に方をしたとしても美しいのではないかと思います。
逆に侍が戦場で死んだとしても必ずしもすべての侍の死が美しいとは言い切れないのです。
だから死にたがっているわけではなく、「凛と生きている」のです。
この映画は決して死を賞賛する映画ではないと思います。
後半でオールグレンが勝元に言った言葉に心に響いたせりふがあります。
運命(さだめ)について語った言葉です。
同様にラストでの明治天皇とオールグレンのやりとりも。
まだ見ていない人のためにここに書くのは控えますが、これらの台詞で私は自分が今まで
ちゃんと生きてこなかったのだと気づかせてもらいました。
しっかりと前を見て歩こう。
そう思わせてもらった映画です。
桜子

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