へんてこまい

キャピタリズム マネーは踊るのへんてこまいのレビュー・感想・評価

3.8
資本主義の負の側面を集中的に取り上げており、ややプロパガンダ的で必ずしもフェアではないようには感じたが、各々の事例自体は事実ということで「はあ、こんなことが起こっていたのか」と勉強になった。

"dead peasant insurance"やパイロットの超薄給問題などはなかなか衝撃的。

社会主義を掲げる政治家として今をときめくバーニー・サンダースが出演しているのも興味深かった。
本作では"超富裕層に懐柔されたブッシュ"vs"民衆の味方オバマ"というような構図が敷かれ、かつて資本主義一辺倒だったアメリカにもだんだんと社会主義、共産主義的な価値観が根付き始めているというメッセージ性が見られる。
今年の大統領選ではサンダースがかなり躍進しているが、これはその新たな価値観がさらに勢いを増したものだと理解でき、今日のアメリカとも密接にリンクしているようで面白い。

本作は最終的には資本主義を完全なる悪とみなし、団結した民衆が実力行使で支配階級に勝利するといった"力任せ"な資本主義の倒し方を描写している。
これにはやや首を傾げてしまった。
序盤では資本主義の良い面もきちんとクローズアップしていたのだから、必ずしも二元論で語らずに、資本主義と上手く付き合っていくにはどうしたら良いのかというアイデアの提起で締めてくれると良かったように思う。

特有の人をバカにしたようなコメディタッチは好きだった。
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