べらし

どですかでんのべらしのレビュー・感想・評価

どですかでん(1970年製作の映画)
3.2
耐え難い
まったく耐え難い
どんな暗黒の世の中にも一筋の光、一筋のヒューマニズム、そして自分にしか見えない、揺るぐことのない美しい法則を見出していた男が、自分を取り巻く社会に対しもはや何の希望も見出せずにいるのを見るのは拷問みたいなものだ

あの松村達雄夫妻の薄汚い障子を貼り合わせた長屋、ボストンバッグだの柳行李だのが乱雑に散らかった貧しい六畳間にピッカピカのナショナルの電気釜が置かれている光景、あれが黒澤が最終的に見出した物悲しい「戦後」の姿だと思う
そりゃロシアに帰国するよね
べらし

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