柳之貓

サイダーハウス・ルールの柳之貓のレビュー・感想・評価

サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)
3.8
里親に貰われるのを切望してる子供たちが、いじらしくて可愛かった。ハナタレのカーリーや気管支炎のファジーとか、不憫な子供は見てて放っておけなくなる。
ホーマーの子分みたいなバスターも、不良になりそうな雰囲気出してるのに従順で可愛いらしかった。ラストはちょっとうるっときたし。
ただストーリー自体は、受賞するほどものか?とは感じた。

作中の映画などみても、作り手はブロンテ姉妹のような近世の文学が好きなんだろうなと伝わってきたが、あの手の文学って取り留めのない感じがあり、この作品にもそれが出ていた。端的に言えば何が言いたいのかよく分からん。
浮き橋での会話がポイントなのは分かるけど、何かテーマと噛み合わないんだよなぁ。ホーマーや女も別に流される人間じゃ無かったし。

時代や描かれている諸々に、色々と重いものはあったけど、子供たちが可愛いかったのは良かったし、それにまつわる問題の重大さには改めて考えさせられた。
ぜひ思春期の女の子に、多く観てもらいたい。
柳之貓

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