HAYATO

8 1/2のHAYATOのレビュー・感想・評価

8 1/2(1963年製作の映画)
3.4
2024年97本目
“人生は祭りだ。共に生きよう。”
映像の魔術師・フェデリコ・フェリーニ監督の代表作として知られる自伝的作品
一流の映画監督・グイドは、新作の構想と療養のため温泉地を訪ねる。せわしない時間が流れるなか、やがてグイドは現実と虚構の区別がつかなくなっていく。
第二次世界大戦後のイタリア映画を代表するスターで国際的な人気を博したマルチェロ・マストロヤンニが主演を務め、『男と女』のアヌーク・エーメ、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』のクラウディア・カルディナーレらが共演。
タイトルの「8 1/2」は、本作がフェリーニ監督単独による8作目の監督作品であり、処女作『寄席の脚光』がアルベルト・ラットゥアーダとの共同監督だったことから、それを「半分(1/2)」として加えると「8 1/2」本目の作品となることにちなんでつけられたもの。
ウディ・アレン、マーティン・スコセッシ、アンドレイ・タルコフスキー、ミケランジェロ・アントニオーニ、ロマン・ポランスキー、ロベルト・ロッセリーニ、イングマール・ベルイマンなど世界の名匠たちに影響を与え、フェリーニ自身もベスト映画に挙げている作品。
スランプに陥った映画監督が抱える苦悩が幻想的に描かれ、現実と虚構が交錯するシュールでカオスな展開に終始混乱させられる。どこまでが現実で、どこからが虚構なのかすらわからない。
アイデアが枯渇し、追い詰められていくグイドの姿に、「映画監督」という仕事の大変さを実感し、表現者の内側で繰り広げられている壮絶な戦いを窺い知る。
『パルプ・フィクション』でのジョン・トラヴォルタ&ユマ・サーマンのダンスシーンは本作へのオマージュだったとは知らなかった!
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