メガさわ

8 1/2のメガさわのレビュー・感想・評価

8 1/2(1963年製作の映画)
4.9
かっこよすぎた。しびれます。もう、人類はこれ以上映画作らなくていいんじゃないか?なーんて思ってしまう程の衝撃作…笑

映画で印象的だったのは人々の「視線」の撮り方。映画監督は、プロデューサー、マスコミ、批評家、女優、スポンサーなどの色々な「視線」が交錯する中で作品を作る事を強いられるのだなぁ。監督自身の苦悩や葛藤がそのまま、比喩とかでなく、ものすごく直接的に、主人公グイドの台詞や立ち居振る舞いに反映されていた。

そして、幻想と現実の境目が溶けて、ぐちゃぐちゃになっていくのがすごい。この作品は、小説でも演劇でもなく、映画でしかできない表現、というものを極限まで突き詰めて行った感じがする。

ハーレムのシーンの大騒ぎも、とてもよかった。都合よすぎ!アホか!と思ってかなり笑っちゃった。きっと男性にとって理想の世界なんだろう。わかる。わたしもルイーズとルイーズの親友どっちも良い女すぎて選べない。マストロヤンニの悟りを開いた表情。最高です。

記者会見〜ラストシーンまでの流れは圧巻。ものすごい世界観に釘付けになり、エンドロールが終わるまで身動きが取れなかった。

「50年遅れて登場した映画は、芸術に昇華できるか?」(うろ覚え)なんていう台詞があった気がする。昔から、映画監督達はこの命題に立ち向かってきたのだ。映画で何が出来るか。映画で表現するとはどういうことか。それらに立ち向かって行く過程で、数々の名作が産まれてきたのかな。メディアを考えるって言うのは本当に大事…というかそれこそ、本質だよなぁ…。

個人的にグイドの幼少期の男の子がツボ。かわいいよぉ…
メガさわ

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