自家製の餅

おろしや国酔夢譚の自家製の餅のレビュー・感想・評価

おろしや国酔夢譚(1992年製作の映画)
3.4
漂流外交スペクタクル。
製作時期のムードなのか、コメディタッチの架空時代劇かと思いきや実話。開国のまえにロシアへ漂流した船の日本人らが。なんやかんやで現地で生き延びて、言葉を覚えてうまくやりつつ帰国を目指す物語。

現代から見ると稚拙さもありながらも本気のロケを感じされる画のつくり。
シークエンスは多いものの、平坦に感じられた点──彼らは苦労しながらもうまく現地に適応している様子──に本気の葛藤が見えにくいところが物足りなかった(とはいえ、それは山場とも言える謁見の場にて静かに表明されるのだが。ある種、メタに日本的であった──そう考えるとうまくできている)。
ロシア語がわかる人が観ると数倍楽しめるであろう。