浅野公喜

ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクションの浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.6
ブレイダン・フレイザーとかつてのワーナー・マイカル・シネマズ(現イオンシネマ)や個人的には小学生時代の漢字ドリルでお馴染みのルーニー・テューンズ主演のジョー・ダンテ監督による実写とアニメ融合のアドベンチャーコメディ。

ブレイダン演じる警備員兼スタントマンがスパイだった父を救う為にダフィ・ダックらと奔走するストーリーで、人間とアニメキャラ同士で力を合わせるかと思いきや人間は人間、アニメキャラはアニメキャラで戦う事が意外と多くそれが少し不満でしたがキャラが背景の中に入れば人間はそれをつき破るだけといった実写とアニメの違いをユーモラスに描いたり、絵画の中に入ればそれぞれの絵画の技法に合わせてキャラの絵柄や動きが変わり技法の特徴を活かして敵をやっつけたりとアイデアは豊富。所々にメタ発言を挟みつつブレイダン本人も登場しており(=1人2役)傲慢な本人を本人が殴るなんて遊び心も。

また、キャラ達の勢いに乗ってダンテ監督のパロディ趣味が良い意味で暴走しておりバッグス・バニーによる「サイコ」の無駄に忠実なシャワーシーンのパロディも有れば「禁断の惑星」や「顔のない悪魔」といったレトロなSF作品のロボットやモンスターが登場すれば「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」でお馴染みのケヴィン・マッカーシー(彼だけモノクロ)、ルーニー・テューンズ繋がりか「スペース・ジャム」のマイケル・ジョーダンまでカメオ出演。

ブレイダンのスパイの父としてティモシー・ダルトン、ヅラみたいな怪しいヘアスタイルのスティーブ・マーティン、更にロン・パールマンも出演しており、ダンテ監督作品でお馴染みのディック・ミラーは今作ではブレイダンの先輩の警備員役。更にはダンテ監督の師匠であるロジャー・コーマン御大の姿も。拷問シーンで使われる振子は彼が手掛けた「恐怖の振子」のパロディなのかもしれません。

先日観た同監督「インナー・スペース」でも登場していた車、AMCグレムリンは今回ブレイダンの愛車で使われてました。
浅野公喜

浅野公喜