じゃばば

スパイダーマンのじゃばばのレビュー・感想・評価

スパイダーマン(2002年製作の映画)
4.0
〇コミック原作で長い歴史を持っているからだろうか、構図・カメラワーク・スパイダーマンの動きが完成されている。特に強盗を追いかけるシーンは、(多少CGっぽさが気になるものの)かなり興奮する。そのあとのリベンジモードピーターのホラー感はサムライミのものか。幼い頃怖かったけど好きだった。
〇また、この尺でスパイダーマンとして描くべきことをしっかり描いていることもすごい。オリジンについては、思春期の感情の浮き沈みと重ねたり、ヴィランと類比・対比して描くことで、「まだ始まらないの」感が軽減されている。
〇インタビュー風にスパイダーマンの活躍をササッと無駄がなく描くのもいい。
〇マスコミの逆風からの橋での市民の応援も、親愛なる隣人としてのスパイダーマンの本質をきれいに描いている。ここでも、ヴィランの選民思想と対比が効いている。
 細かいキャラも面白い。
〇ハリーのファザコンっぷり、愛を十分に受けられないと逆に認められたいってなっちゃう。ピーターに嫉妬するシーンもよかった。
〇ノーマンの「やるだけやって捨てろ」っていう超問題発言は、副作用なしではあそこまで言わないにしても、たぶん本心だよな。二重人格の思想はそういった富豪としての苦悩(結婚や保身)の凝縮。
〇編集長がピーターを庇うところもいい、利益のためだろうけど、こういうとこあるから憎めない。
〇警官が火事場でスパイダーマンを見逃す、犯罪者として扱いながら、一個人としてはヒーローと認めている、成熟した距離感が素晴らしかった。
〇MJがビッチだってよく言われるけど、正直陰キャらからしたら女の子ってこんな感じに見える。

〇グリーンゴブリンがとにかくダサい。グライダー・武器はかっこいいけど、体のバランスとか、口元のデザインとか。
〇あと演出は古臭い。そのおかげでコミック的な設定が浮かないで、ちゃんと映画になっているという節があるが。
〇ヒーローとヴィランが戦っているだけなのに今の感覚からするとコントに見えるシーンもしばしば。そんなところも愛してあげたいけど!

〇生まれた時からDVDで何度も見ている。幼稚園が嫌でずる休みをしてしまった時も、罪悪感を埋めるように『スパイダーマン』を見ていた。
〇家にあったDVDは英語版で日本語字幕すらなく、細かいストーリーなどは全然わからなかった上に、中学に上がってからは『スパイダーマン2』ばかりみるようになってしまったので、内容をしっかり追いながら見たのは、実は今回で二回目くらいかもしれない。(一回目はテレビ放送かな)
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