じゃばば

トパーズのじゃばばのレビュー・感想・評価

トパーズ(1991年製作の映画)
3.2
別の世界のひと
無くしものをした時に、トイレで全部をばら撒いているシーンがめちゃくちゃ好き
原作では、まとまりの無い長い文章が印象的だが、ここのシーンでぐわっとその感じがきた
それまでは割と普通そうだし落ち着きもあるから
と同時に、人前では仕事道具を見せたく無いという、実社会との折り合いのつかなさも描いている

トイレの中で物を散らかすのは罪じゃ無い
むしろ、社会と折り合いをつけようとする態度。つけないのは社会の側で、罪なき人が折り合いのつかない世界で戦っている話

思うと、僕は今だいぶ折り合いのつけられる世界で生きている

折り合い=物語
折り合いがつかなさすぎるというのは、物語の破壊かもしれない、というのはイージーライダーを見ても思ったことだが、アメリカンニューシネマの影響はあるのかな

ラストは、まったく別の世界が見えるようになってしまった、あるいは元々その世界で生きていたということか

小説の補助線にはなった
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