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左きゝの拳銃のodyssのレビュー・感想・評価

左きゝの拳銃(1958年製作の映画)
2.5
【もっと放埓に】

BS録画にて。
西部開拓史上名高いビリー・ザ・キッドをポール・ニューマン主演で描いたモノクロ映画。1958年製作。

史実ではなく、伝説によってビリーの生涯を描いたということのようですね。
それでいうと、自分を雇ってくれた牛飼いの恩人が、牛の価格が下がることを恐れた町の牛飼いやそれと結託した保安官に殺され、その復讐に立ち上がって4人を殺すあたりまでは、まあまあ面白く見られます。

ただ、ビリーという人間の独自性が必ずしもきっちり描かれているとはいえない。
どうせフィクションなら映画チックに作ったほうがいいと思うのですが、必ずしもそうなっていない。
女との関係も中途半端だし、男同士の友情ももう一つ冴えません。

これは脚本に責任の大半がありますが、主役を演じるポール・ニューマンが悪童になりきれていないということもありそうです。
史実のビリーは満22歳になる前に死んでいるのであり、悪童あるいは不良少年ならではの放埓さややんちゃぶりをもっと前面に出してもよかったのではないでしょうか。
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