面白いB級映画のお手本。
単純でチープながらも次から次へと見せ場をこしらえてラストまでニコニコしながら観ることができます。
アクション場面にもいろんな工夫がされていてわざとらしいくらいに派手な場面が連続します。
一対一のタイマンシーンは、香港カンフー映画の影響を受けているんじゃないかなと思うほどです。
バイクを乗り回しながら少々荒っぽい手段を使いながらもひったくり犯を捕まえ続ける刑事・ニコ。
彼が追っている窃盗犯がひったくったバックが、アメリカの闇組織の資金だったことから、窃盗団たちも追われることになり・・・
展開が雑なのを大目に見られるほど愉しませてやろうという制作陣のサービス精神が感じられます。
主役の刑事・ニコの部屋にアル・パチーノの『セルピコ』のポスターが貼ってあり、飼っている鼠の名前がセルピコなのが楽しい。
髭もじゃの主人公もどこかセルピコの面影がある。
敵のボスとの追っかけっこもいいですね。
主人公はバイクの特性をフルに使って根性の追跡。カメラワークや構図も決まってカッコいい。
私が期待していた邦画アクション、『ワイルド7』(2011)にもこういう描写が欲しかったな!
イタリア映画お得意のお色気描写も過剰にならず、お洒落なエンディングも気に入ってます。
敵のボスを演じるジャック・パランスが憎々しくて好演。