地底獣国

殺しの烙印の地底獣国のレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
3.7
パロマの炊飯器でお馴染…かどうかは知らんけど

清順映画初挑戦。

殺し屋ランキングとかは「深夜プラス1」が元ネタらしい。確かに序盤はそれっぽい感じで話が進むしモーゼルも出てくる(「深夜-」ではNO.3は主人公の相棒になる男で、モーゼルは主人公の愛銃)が、早々にそこから離れて行って「殺し屋のお仕事映画(仕事の合間に女房とヤりまくる)」〜「ファム・ファタールもの」〜「NO.1との(コントにしか見えん)心理戦」という具合にトーンが変遷していく。

Wikipediaチラ見したところによると本作は複数の脚本家が色々な要素を書き加えていったらしく(リレー形式にした?)それがギクシャクした話運びに繋がった模様。

とはいえ主人公花田の「飯の炊ける匂いが三度の飯より好き」という性癖とか、「これがNO.1のやり方だ」という殺し文句付で行われる変過ぎる嫌がらせとか、真理アンヌの包帯&松葉杖とか、そういうディテールのとこがいちいち好きなやつだったんで結構満足度高し。あの炊飯器に覆い被さって匂いを嗅いで恍惚となる宍戸錠の姿、どっかで見た光景だなぁって思ってたら「ゴジラ対ヘドラ」だった(本作の方が先だけど)。

これまたWikipedia情報によると本作はタランティーノやパク・チャヌクに影響を与えたらしい。っていうか多分一番影響受けたのは押井守だと思う。「紅い眼鏡」の少女から「アヴァロン」のゴーストに至るまで、本作の真理アンヌの姿が見え隠れするし。
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