ヤスヤス

晩春のヤスヤスのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.2
「紀子三部作」の一本目。
当時、40代半ばであった笠智衆が演じる初老の父親の姿が味わい深い。ともすれば、異常とも思える父娘の関係性が、彼の飄々とした中に哀愁を感じさせる佇まいにより、中和され、深みとなっている。
笠智衆と三島雅夫、笠智衆と杉村春子との会話など、何気なく交わされる会話が最高に面白い。
良い作品には、日常を切り取るセンスと印象的なショットがあれば、特別なことは何も要らないことを教えてくれる。
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