津軽系こけし

晩春の津軽系こけしのレビュー・感想・評価

晩春(1949年製作の映画)
4.3
拾遺補闕


幸せを育てなさい
小津安二郎監督作品を満を辞して初鑑賞。くすっと笑わされるやり取りと、奥行きを活かした印象的なカット、そして父と娘の感動的なストーリーに涙ちょちょぎれます。ラストの笠智衆の哀愁なんかたまんないのさ、部屋から背中にかけて伸びる影の妙、林檎を剥く手の所作から洩れる哀情、このシーンだけで☆4.5あげちゃう。

アイテムを駆使した感情の表現とか、余暇に透き通る間(ま)とか、お洒落な演出にも何度と唸らされた。

そしてコカコーラの銘柄が今と全く変わってないところにも感動した笑。時代柄とかひっくるめてとてもいい気分で席を立てる作品。また今度観てみたい。
津軽系こけし

津軽系こけし