津軽系こけし

風が吹くときの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

風が吹くとき(1986年製作の映画)
3.8
忘れるな


🚪ジミーTムラカミ監督作
🚪イギリスに核爆弾が落ちたら
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核の恐ろしさと戦勝国の楽観思考を描き出した原作も凄まじいが、アニメ表現にも唸る一作。これほどヌルヌル動くアニメが80年代イギリスで制作されていたことにまず驚き、ストップモーションや実写映像など表現手段も多彩、カメラも部屋を縦横無尽に動き、視覚面でバラエティに富んでいる印象。

「ピカドン」や「はだしのゲン」のようなグロテスクさはないが、可愛い老夫婦が衰弱してゆく様子は別の意味で精神的にくる。「子宮に沈める」を観た時の辛さに似てる。
とはいえスターリンがいい男って、当時のイギリスってそんな政治観だったの?戦時下は良かったとか言い出すし、敗戦国の価値観と大きな差を感じる。

すべてを悟って歌い狂ってる息子と、無知ゆえに危機の重大さに気づいてない夫婦が対比になっている気がした。ただ、あんな地獄にあっても最後まで互いを想う夫婦の愛は美しかった。”死別して絶望する”なんて鬱漫画みたいな展開もなく、最後まで愛の話として締めくくったので後味も悪くなかったです。

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🚪まとめ🚪
あの夫婦の日常が奪われたように、私たちの日常もいつ奪われるか分からない。危機感は常に持たなきゃいけませんね、あと勉強。
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