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ザ・フライのtubure400のレビュー・感想・評価

ザ・フライ(1986年製作の映画)
3.2
COVIDに罹患して自宅待機している中観た。自宅待機が決まった時はよっしゃ、クーラーの効いた部屋で思う存分映画を見るぞ、と思ったわりに、その後熱が出て、数日は普通に死ぬ思いだった。(正直言って多少ヘビィな風邪、という程度のものではあったけれど)

Twitterで『裸のランチ』の宇宙人みたいなやつの画像が回ってきて、そういえばクローネンバーグって名前よく聞くけど映画見たこと無いな、と思って観た。多分中学生の頃くらいにLimp BizkitのPVかなんかで少年が蝿化するやつがあって、それで興味を持って何度かTSUTAYAでDVDを手にとった事があるような気がする。

この若干インド風の顔立ちの研究者は、憎めない人だな、と思っていたら段々魅力的に見えてくるところが良かった。次第に蝿化して目も当てられなくなるんだけれども、そんな主人公をそれでも抱きしめるヴェロニカがすごい。レベッカ・ブラウンの『身体の贈り物』を思い出したりした。確かに、「蝿化する」ということが、防ぎようのない老化とか、悪性疾患の喩えっぽい。そう思うと、ラストシーンの主人公の行動(っていうか)がよりいっそう悲しいものに思えるというか、蝿が気持ち悪いだけの映画かと思いきや、色々考えさせられるものがあった。
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