魂コシ

ブタがいた教室の魂コシのレビュー・感想・評価

ブタがいた教室(2008年製作の映画)
4.0
食べる目的で育て始めた豚だったけど…って話

この作品、実際にあった授業を原案をしている。

「食」を考えることは「命」を考えること
「飼う」という行為には「責任」が発生する

ひとつのクラスで始まった「食べるために育てる」という最初の目的は、いつしか学校中や地域を巻き込んで、子供たちに深く大きな選択を迫ることに。

今作では、結末は決まっていたものの、子役26人には白紙の台本が渡されたとか…。だから作中の大部分を占める「ディスカッション」の場面でのセリフは、子供たちのホンモノの意見でありホンモノの感情である。
良い意味で「まだ子供」、良い意味で「大人になり始めている」、この絶妙なタイミングの小学6年生という年齢の彼(彼女)たちだからこそ、こんなにもリアルで深いディスカッションができたのだと思う。
それがこの作品の価値を大きく高めていると思う。


テーマを聞いた時から面白そうだと思っていたけど、想像以上に広く深い内容だった。
答えの無い、重い問題を、子供たちが、みんなで話し合って考える。そういうのがホント自然に涙が流れた。


テーマへの否定意見や作品への駄作意見も多いですが、この作品の本当に意味のあることは「食や命について考えるキッカケ」を作っていることだと思う。

笑いも程よくあって、しっかり食や命について考えられる。
教育的価値のある作品だと思います。
魂コシ

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