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ベニスに死すのKのレビュー・感想・評価

ベニスに死す(1971年製作の映画)
3.0
最初の台詞が字幕で登場するまで約9分半。フリーザみたいな笑い方。画面から伝わる優雅さ。ぴょんぴょん眉毛。ズームしたり離れたり。ゆったり横移動するカメラ。ロングショット。時々ぎこちない動き。このパターンの映像が多い。台詞は少なめで硬い表現。少年登場まで約26分。彫刻のような美。タージオ役ビョルン・アンドレセンの当時のエピソードを知った上で見ると複雑な気持ち。作品と人物は切り離して見るべきだけど、監督とスタッフの目を通して映像が入ってくるようでところどころ居心地が悪かった。アッシェンバッハの姿に監督を投影すると、独占欲が歪んだ愛情に変化した結果あんな行動をとったのだろうかと考えさせられる。何にせよ酷い。尊すぎる推しに出会ってしまったおじさんの過去と現在と妄想。白い肌、赤い唇、黒い汗。
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