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ベニスに死すのharetのレビュー・感想・評価

ベニスに死す(1971年製作の映画)
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あえて点はつけられない。監督の欲求を満たすため、自己満足のためを、感じてしまった。これを観る自分もビョルンを汚している一人だと思った。
監督として才能はあるのかわからないが、そんなことより、まず人としてどうなの?と疑問を感じた。
なんか、傲慢を感じるよ。

風景は美しかった。

主人公がひたすらキモイ。主人公=監督なのかな?と感じた。芸術とか美とか、言う資格があるのかと思うよ。

本質は、ただの肉欲だろう。
愛してるってキモ。
自己満足以外のなにものでもないからな。

でも確かにビョルンに惹きつけられるものがある。ビョルンの何に惹かれるのか?
なにものにも染まっていないところだと思った。
ビョルンはなにも演じてない、ただ言われるままに振り向いて、言われるままに笑って。まるでオモチャのように扱われていると思った。
監督はわかってないと思った。
タジオは振り返ったり主人公に向かって意味深に微笑んだりしない。
タジオが振り返り微笑み見つめるのは作者の、監督の、肉欲によると思う。

ただの欲なのに、
それをやたら勿体ぶって綺麗に着飾って映画になんかして、偉ぶっていることに腹が立った。

コレをいいという奴は肉欲をキレイにみせてくれるから、自分にある肉欲も、公に認定された気になって、悦に入る。

それに対して罪感を持つのならまだマシ。

いくらキレイに見せたところで、所詮肉欲だろ。あるものをなくすことはできないけど、それをどう超えていくかだろう。進化しなきゃ。
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