風景の描写が多く、ベニスの美しい海岸が見られます。市民の生活の描写も多くありますが、多くは富裕層の観光客のそれで、一般市民の生活という感じではありません。
マーラーの曲が使われており、主人公もグスタフ・マーラーという名前で、風貌もそれに似せています。
これはトーマス・マンの原作からそうだったようで、マーラーの本当の生涯を描いているわけではないようです。
極端にセリフが少なく、現在と過去が入り混じって物語が進むので、難しい印象はあるでしょう。
中年の男性が美しい少年を見初め、心を惹かれていく、微妙な心境が役者の表情でうまく表現されていました。
病的な感じもありますが、非常に美しい作品になっています。