ヤマニシ

遠い空の向こうにのヤマニシのネタバレレビュー・内容・結末

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 周囲の反対にもめげずに自分の夢を追い続ける若者系の映画。父親はいい顔しないし、同級生からは馬鹿にされるし、逮捕もされるし、何なら経済的に高校すら通えなくなる散々っぷり。それでも自分の好きを貫けるのは本当に才能だと思う。周りからからかわれるのはまだしも経済的に無理になったら普通は諦めちゃいそうだけどねぇ。多少なりとも協力したり応援してくれる人もいたから続けられたっていうのもあるだろうし、環境も大事だね。
 登場人物がそれなりに多いので出番の少ないキャラクターも多いが、魅力的なキャラクターが多かったと思う。当初、金属加工に協力してくれていたおっちゃんは大人としては初めての理解者で金を渡そうとすると「金をもらったりすると怒られてしまうから受け取れない」と断る粋なおじさん。(途中の描写でなんとなく死にそうな気はしてたけど...。)校長先生も生徒を警察に突き出しはするが、理屈できちんと説明すればわかってくれたりするし真面目な人なんやなと思う。(まあ疑ったことを謝れやとは思うけど。)父親とかのメインのキャラも当然魅力的だった。頑固ものでやや知識や経験に偏りがあるせいか自分の理解できないものに対して強く反発するけど、自身の仕事に誇りを持っているからこそ子供にも後を継いでほしかったんだし、決して子供を支配しようと思ってたとかではなく子供の幸せを思っての発言ではある。狭量ではあるが悪意があるわけではないので子供としても理解してほしいし協力してほしいと思うんだろう。度重なる衝突の果てに父親が主人公のために自分の主張を曲げてでも協力するくだりは王道だけどよかった。ラストで父親が無理をおして発射実験を見に来てくれるのもウルっときた。脱線するけど、その直前のシーンで主人公が「フォンブラウンはヒーローじゃない」っていうくだりで、じゃあだれがお前にとってのヒーローなのかはっきり伝えてやりなよって思った。親子ともども不器用だ。
 魅力的なキャラクターが多いいい映画だったが、ヒロインに関してだけは本当にいらない気がした。ほとんど話に関与してないしなんならパッケージに映ってるの先生ですよね?
ヤマニシ

ヤマニシ