似太郎

炎628の似太郎のレビュー・感想・評価

炎628(1985年製作の映画)
4.6
【皺】

凄絶なり。全てを燃やし尽くす戦争への憤りを覚えるロシア映画の大作。こういう映画こそ本来は学校で子供達に見せるべきだと思う。個人的に。

人間同士で殺し合い、壊し合い、全てを略奪する愚行、醜悪さを悪夢的なビジュアル・イメージで描いた凄まじい熱量を感じさせる作品。ハリウッドじゃ絶対無理な企画。

アンドレイ・タルコフスキーの『僕の村は戦場だった』をよりハードコアにしたような…。どこを切っても大残酷絵巻である。戦争を絶対に美化しない逆『プライベート・ライアン』であり、本作そのものがナチス・ドイツ(または強大国アメリカ)へのアンチテーゼとなっている。

ラスト、主人公の少年の歪んだシワが戦場の恐怖を物語っているようである。あまりにも哀しい、救いのない人間ドラマであり反戦映画の金字塔。君は人を殺さずに生きられるか⁉️
似太郎

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