どっかで見たことあるな、と思ったら望月ミネタロウの漫画『東京怪童』('09)でした。本作にインスパイアされたのかしら?
スマートさは全然なくって、わちゃわちゃしたファミリーのドタバタが楽しく、この雰囲気が好きです。美少女コンテストの予選通過してはしゃぐぽっこりおなかのオリーブちゃんが天真爛漫で健康優良児でかわいいし(……この子みたいなキャラが『東京怪童』にもいた気がする)。
唯一普通なのはママ(トニ・コレット)ぐらいで、残りの男たち(夫、兄、義父、息子)は全員バグっていて、アクの強いキャラばかり。なかでも「沈黙の誓い」のために一切喋らない息子を演じるポール・ダノが相変わらずいい味出しています(……この子みたいなキャラも『東京怪童』にもいたような)。
このわちゃわちゃファミリーが古いミニバンに乗り込んで丸一日かけて向かうのは予選通過した美少女コンテスト会場。大笑いはないですがちょこっとほっこりさせてくれる映画でした。
本作の鑑賞後にネットを漁っていたら、脚本を担当したマイケル・アーント(アカデミー賞で脚本賞を獲得)は本作を手がけるにあたり高畑勲監督の『ホーホケキョ となりの山田くん』('99)にインスパイアを受けたのだそう。
つまり高畑勲作品に影響を受けて本作が作られ、本作に影響を受けて望月ミネタロウの漫画が作られたってことなのかな。確証はないけど面白い繋がりだなぁと思った次第……。