ひでぞう

厳重に監視された列車のひでぞうのレビュー・感想・評価

厳重に監視された列車(1966年製作の映画)
4.9
 メンツェルのユーモア、ペーソス、シニシズム、そして、反骨精神(全く堅苦しくない)、すべてが詰まった素晴らしい作品。ナチス占領下のなかの抵抗運動を決して神話化しようとはしない。等身大の生活と、そのなかでの抵抗と不服従。こういうしたたかさが大事なんだろうな。
 ラストシーンは考えさせる。それまでのトーンでいえば、計画もうまく成功して、一人前の男にもなれるという幸せな結末が予想される。期待してしまう。しかし、そこに着地させないところに、メンツェルの凄みがある。
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