厳重に監視された列車の作品情報・感想・評価

厳重に監視された列車1966年製作の映画)

OSTRE SLEDOVANE VLAKY

製作国:

上映時間:93分

ジャンル:

4.0

「厳重に監視された列車」に投稿された感想・評価

あー

あーの感想・評価

4.0
戦時中でも生<性
童貞少年の目線を意識したカメラで撮られる女性がめちゃくちゃ魅力的
真面目な顔で筆おろしを色々な人に頼みまくるの応援しちゃう笑
太ももからお尻にかけてスタンプ押してくシーンが最高
その後の展開も良かったけどテンポがちょい鈍いかな
やっぱり童貞映画のベストは「ごめん」
3104

3104の感想・評価

4.1
ユーモアさ、ブラックさ、シニカルさ、蒼さ、愚かさ、ほろ苦さなどが不適なバランスで詰まっている作品。冒頭の親族紹介のくだりでもうオールOK。満島ひかりに似た電報係の娘が美しい。
当時28歳の監督自身が医師役でちょっとだけ出演。
ものものしいタイトルだけどほのぼのドラマ〜!かと思いきや、しっかりばっちり戦争の暗い影が落ちていた作品であった。
駅員の少年の童貞喪失劇と同時並行して描かれるナチスドイツのチェコ侵攻、チェコとスロバキアの対立。ほのぼのとシリアスの落差が激しい。
辛く厳しい時代にあっても、人々の生活は日々営まれ、そのなかで生まれるどうでもいいことに悩むなんてこともあるだろう。早漏で死ぬほど悩むのかわいいね…他にもっと悩むところありそうだけど、若者にとってはせいしをかけた一大事なんだよね。きっと。

ユーモラスでシリアスというやじろべえみたいな感覚に浸ることができて楽しい。間の取り方やナイスな反復とか、とてもいい塩梅で心地よかった。イジー・メンツェルという監督に出会えて嬉しい、もっと観たい!と思ったけど、9月5日に亡くなったそうです。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

4.5
「厳重に監視された列車」

〜最初に一言、こんな面白い映画を観ない訳にはいかない。両価感情、可愛らしいテーマの中に軍靴の足音が聞こえる。エロティックでユーモア満載のキュート映画だ。だって童顔で早漏で自殺未遂する青年が主人公なのだから…残酷な笑いに満ちたメンツェル若干28歳にしてオスカーを受賞した傑作チェコ映画だ〜

冒頭、第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ保護領下にあったチェコスロバキアの小さな村コストムラティ。ここは田舎駅。早漏で童貞の青年は失恋から自殺未遂をする。操車係見習い、爆弾、列車と風景、粉雪。今、ナチスを爆破せよの命が下る…本作はイジー・メンツェルが若干28歳で米国アカデミー賞最優秀外国語映画賞受賞したチェコ映画の傑作で、この度YouTubeにてチェコ映画特集をするためにBDにて再鑑賞したがやっぱり面白い。 封切りは1966年にチェコスロバキアでされたが。日本ではテレビ放映後に2005年に映画祭で上映され08年に劇場公開された。

プラハの春より以前の66年に製作されてメンツェルの名前を世界に知らしめた代表作として、最早シネフィルの中では知らない人はいないだろう。キャッチコピーの"青春はいつだってほろ苦い"が懐かしく思える。原作者のボハミル・フラバルとともに脚本執筆し、本作で長編デビューを飾った彼の新米駅員の性の悩み、そして忍び寄る戦争の不穏な時代を彼なりのユーモラスなタッチで描き出した独特の世界観がたまらなく好きである。原作者自身は小説より映画の方が好きと言っているようで、もともとメンツェル以外の監督に依頼しようとしたところ、誰も映画化を想像できなかったらしく、まだ長編映画を撮っていなかった彼が抜擢したとのことである。

この作品の主人公はもともとミロシュ・フォルマン監督作に連続的に出演していた例えば「ブロンドの恋」がすごく印象的だった役者のヴラディミール・プホルトを採用しようとしていたようだが、他の映画の出演中で実現しなかったため、15歳位の少年たちをオーディションして、知人の奥さんから当時20代前半だった童顔のポップ歌手ヴァーツラフ・ネツカーシュを抜擢したそうだ。ちなみに医師を演じる予定だった俳優が土壇場になって現場に来られなくなったため、代わりに監督自体が出演をしたと言う…。

この作品の面白いところに映画の中心をなす人物が複数いて、彼らの行動それから彼らに与えられている名前の別名を意味する事柄を知るとさらに物語が楽しくなると思う。チェコの映画ってこういうこと結構あるようで、なかなか遊び心があってよろしい。 

さて、物語は第二次世界大戦下、ナチスドイツに占領されたチェコ。父親の跡を継いで駅員となった青年のミロシュは、まだ童貞である。知り合いの車掌マーシャとの一夜に挑むが、残念ながら不発に終わり絶望する。そんな時、彼の前に性の手ほどきをしてくれる謎の美女が現れる。勝利と自由と呼ばれる彼女は、駅を通過するドイツ軍の軍用列車爆破する命を受けたレジスタンスの闘士だった…。

本作は冒頭に、壮大な音楽が鳴り響き、本作の主人公であると童貞の駅員(ここは彼の部屋)ミロシュ・フルマがカメラに向かって自己紹介する。彼はシャツのボタンを閉め始めて、変な苗字だと笑われるけど有名な家族だと説明してくれる。そして曽祖父のルナーシュはプラハで戦った鼓手だと言う(カメラは部屋に飾られている額縁の絵の写真を捉える)。そのまま彼の説明をする。カットは変わり、お前は二代目の鉄道員だと母親にズボンを履かせてもらっている描写へと変わる。今度は祖父のヴィレームは催眠術師だと言い、カメラは彼の写真をクローズアップする。そしてまたカットは息子と母の画に変わり、絶対に列車を衝突させちゃダメだからねと強く母親に言われる。

続いて、立派な制服に身を包んだミロシュの足元から後頭部までカメラが滑らかに下から上へとスライドされる。そして儀式的に帽子を母親に被らせてもらい、彼の表情がアップになる。そしてカットが変わり、彼の初勤務の様子が捉えられる。彼は田舎町の荒涼とした道を1人で歩く。そしてオープニングが始まり、スタッフとキャスト、関係者の名前が写し出される…と簡単にオープニングを説明するとこんな感じで、若く美しいパルチザンのビクトリアの登場によって主人公の運命が大きく変わる作品で、とにかく一度は見て欲しい素晴らしい映画である。

いゃ〜約3年ぶりだろうか、再鑑賞したのだが2回目の方が1回目以上に楽しく感じた。やはりメンツェルの作品の中でもこの映画は相当面白い。舞台はほぼプラハ中心部から南西約20キロメールにあるロジェニツェ駅の駅舎だけに設定して、この小さな空間での人間劇が淡々と写し出されるのだが、観客は集中どころではなく夢中になってしまい、気づいたときには93分の上映時間が終わってしまっていると思う。それほどまでに見入ってしまう映画だ。なんだろな…全編通して程良いムードが好きだ。

ミロシュが好意を持っているマーシャと夢にまで観たキス場面を先輩の駅員に邪魔されて、連結を発車させられてしまい、あえなく彼女が乗っている列車が進んでしまい、地面に立っている彼とは離れ離れになってしまう。目をつぶっている彼は近づいてきた先輩駅員に笛を口に突っ込まれるのである。それで夢から現実へと引き戻されるシークエンスがとってもキュートで、癒されるしほっこりする。とっても好きな場面である。あのシーンだけでこの映画のファンになってしまう程だと言っても良いだろう。

それに所々卑猥で面白いんだよね、不適切な卑猥な感じじゃなくて、ユーモアがありほっこりさせるような演出があるのも素晴らしい。先輩駅員があの女、いい女だよな、あー言う女に攻められたら…や地図を出しながら作戦会議している場面でちょこちょこ女性の胸のクローズアップを挟んでくる監督の遊び心も最高である。というかメンツェルの作品って8割型こーゆー遊び心が写ってると思う。それにこの作品のフレーム作りがすごくおしゃれで雪のシーンの駅のバックから捉えられた線路と山々とミロシュの画が良い。

それにマーシャがこの後会いましょと列車の中からミロシュに誘いを言う所で、夜まで仕事だから無理だよと言う場面の粉雪降る場面とその発車する列車を懸命に追いかける彼の可愛らしい童顔がなんとも印象的だ。それと所々帽子とシャツを着たままズボンは脱いで、下半身裸のまま端っこにぼーっと突っ立っているショットも可愛らしい。そんで帽子をかぶったままベッドインして彼女と初体験(キス)をして恥ずかしがる場面などたまらないほどキュートである。だって、性的行為をやったら声が聞こえちゃうよって言うとか何ともピュアじゃないか(隣部屋に男性がいるためそれを気にかけている)。

結局マーシャはそんなミロシュに嫌気をさしてベッドから枕と布団を手に持って端っこの方へ行き、別々に寝ちゃうなんていうのも青春だなと思う。続く、空襲で木っ端微塵になった家が瓦礫の山になってぼう然と立ち尽くすミロシュや男が笑ってるシュールな画もまた良いんだよ。とにもかくにもどんな時でも斜めにかぶっているあのちょっとぶかぶかの防止等のアンバランスな格好が滑稽で仕方がない。あえて監督はそれを狙っていると思うのだが、そしてみんなが瓦礫になった部屋の壁を修理していたりしているときに、ミロシュはバスタブに水を溜め込み、カミソリで昨夜フラれてしまったショックから手首を切って自殺未遂するところもドンダケ…メンタルが弱いんだと思ってしまうほどに守ってあげたくなるような感じで見てしまう。

おいおい、戦時中の真っ只中で、もっと他にショックを受けることがあるだろうと思ってしまうのだけど、彼はとてつもなくネガティブに物事を考える少年で、かなりデリケートなんだなと思った。結局助けられて彼が目を覚ましたときには、両手首には包帯が巻かれて病院のようなところで看病されているのだが、自分が(マーシャ)フッてしまったことによって自殺未遂してしまったことを知らされる彼女の身になったら、逆にもうこの恋愛は重いと思ってこれ以上関われないと思っちゃうだろう普通わ…。

それと駅員の恋物語でも、駅室で女性の服を脱がして、そのふくらはぎやお尻にハンコを押すプレーなど風変わりな場面も見ていて変な不思議な気持ちになる。ちなみに医師役で単発で出てるメンツェル監督当時28歳は眼鏡をかけて不精髭を生やし、メガネをかけて案外ハンサムでびっくりした。そんでそのメンツェル扮する医師にまずは年上の女性に手解きしてもらえと言って、職場の男の奥さんに僕の手ほどきをさせてもらえないかと頼む場面とかも笑ってしまう。誰が手ほどきのために愛しの妻を性的行為の相手に渡す夫がいるんだ…と突っ込めるし、断られたらそれじゃ親戚の…とかまで言い出す始末だから本当にこの主人公はかわいい坊やよ。

SSに連行され、列車に手を挙げて乗る場面の列車からの原風景のショットや、ぎこちないミロシュの対応が面白く、線路を走って逃げる場面も印象深い。そこから同僚の男性にライフル銃を向けられて笑いながら手で避けるドッキリも可愛らしかったし、その後に訪れる馬に乗ろうとするぶ男が上手に馬に乗れない画もわざわざ用意するところがメンツェルらしいなと思う。ここに笑いをまた取り入れてくれている。この映画フレームの構図が良く考えられており、スタイリッシュでかっこいい。この作品はかなりいろんな作品に影響与えたんじゃないかと言うほど一つ一つのフレームが素晴らしいのだ。この映画を見てくれれば分かるので、これ以上は言及しないけど、J.タチっぽかったりもする。

それから鴨に無理矢理食べ物を押し込め(フォアグラ)老婆の場面で、ミロシュが早漏の話をするのもアホらしく笑える。でも彼にとっては一大事のラストチャンスなんだよなと思ってしまうと何故だか応援したくなる。そっからのダイナマイトの作戦の下りからさクライマックスでまさかの主人公が……となるのは初めて見た時(3年前)かなり衝撃を受けた。これはネタバレになるためこれ以上は言えないが、こんな映画があるのかと思った。これがアカデミー賞かと思ったが納得する部分も大いにある。

そしてあの過剰なまでの爆風で登場人物全員が風になびくシークエンスの誇張も面白すぎる。クライマックスに聞こえる鐘の音は果たして何を意味するのだろうか…。列車はこの田舎駅をただただ通過するだけだ。煙を上げ、真っ白な蒸気を上げてフレームから外へと消えてゆく。澄み切った空気に響くいくつかの機械的音響とともに…あぁ傑作だ。
サミー

サミーの感想・評価

2.9
「出来」
ブラックコメディーです。
充分すぎるほどに良いものとなっています。

ヨーロッパ映画ですのでそれを苦手とする方は干渉しないほうがよろしいかと思います。


「内容」
ブラックコメディで表した日常の中に主人公の青春があったりそれぞれの登場人物の悲喜こもごもがあったり。
そして最後は、都合の悪いことには蓋をして全てを隠蔽する・される、と。


「個人的見解」
主人公の青春物語でも良かったのですが、本作の世界的な評価を考えるとこれで良かったのでしょう。多分。
チェコのイジー・メンツェル監督が最初に作った社会派(?)ブラック・コメディー作品でアカデミー国際長編映画賞作品です。ボクは本家フランスのヌーヴェルヴァーグは苦手なのですが、ユーモアのあるチェコ・ヌーヴェルヴァーグは好きです😀

ゲラゲラ笑うタイプではなく、クスクス笑うタイプのコメディーです。

舞台はチェコの小さな村コストムラティにある駅。第二次世界大戦のナチス占領下なので、田舎駅とはいえ軍事補給の拠点の一つとなっています。ナチス占領下のチェコスロバキアなので、それなりに緊張感があったはず。しかし、この駅には牧歌的な雰囲気があります。それは、ナチスの軍事拠点で、安全地帯だからなんでしょう。

ストーリーは三つのエピソードから構成されています。最初は牧歌的で何もない田舎駅の話なのですが、ミロシュの自殺未遂から徐々に不穏な空気を纏いはじめます。以下、すこーしネタバレを含みますので、前提知識なしでこの作品を見たい方は注意してください!

1)主人公の初体験

主人公ミロシュには同じ鉄道勤務の車掌マーシャとプラトニックな恋愛をしています。マーシャは初体験を誘うのですが、ミロシュはどうしてもうまくできない。それを悩んで自殺まで試みます。医者からは「○○」と診断されます。○○!!!😂

果てたしてミロシュは○○を克服して、マーシャと初体験ができるのか?ちなみにイジー・メンツェル監督が医者役で出演しているのですが、当時は28歳。若い!!!

なお、ミロシュの苗字はフルマ。チェコ語で女性の「恥丘」だそうです。

2)駅長の出世

駅長ランスキーは厳格な性格です。出世して監査役になる野心を持っています。鉄道の監査役は軍では少佐と同等なのだ!当然ながら駅長ランスキーはナチス政権側にスリスリとすり寄ります。

果たして駅長ランスキーは監査役に出世できるのか?

3)先輩フビチカの秘密

ミロシュは女性に興味があるので、女性経験が豊富(に見える)先輩フビチカが気になります。フビチカは駅長ランスキーと違って、勤務には全く不真面目。

この駅でずっと勤めていれば、生活は安泰なのに。フビチカは何を考えているのでしょうか?

主人公のミロシュを中心に、駅長ランスキーと先輩フビチカのそれぞれの目論見が絡まってくる演出がとてもうまいです。イジー・メンツェル監督はこれが長編デビュー作なのですが、たぶん最高傑作でもあります。

ちなみに、この映画にはマニア心をくすぐるシーンがたくさんあります。例えば鉄道自動車の「タトラ15」。自動車がレールの上を走る!タトラはチェコ共和国の現存する自動車会社です。
hana

hanaの感想・評価

-
冒頭のキャラクター紹介がとっても好き!退職してから怠けたお父さんに、催眠術師のお爺ちゃん。ナチのタンクを催眠術で止めようとするお爺ちゃん。写真を使ってキャラクターの紹介をするのはそこまで斬新ではないかもしれないけど個性があっていい感じ!
miyagi

miyagiの感想・評価

4.0
童貞拗らせムービーにして、チェコ版「この世界の片隅に」(戦争の余韻を薄味にして)
どうやら主人公の一家は今で言うボンボンであり、ボンクラ息子の道楽駅員だったのだろうが、楽して生きてるように思えても、実のところ苦悩やうまくいかないことがたくさんあるのが人生だと語りかけてくる。
ポスターのショットがマスターピース。
機関車を利用して物理的に離される距離が愛おしい。
手首を切る際に、刃物を固定すると言う逆転の発想で両の手首をイクのは一本取られた気分。
ハンコ文化撤廃を声高に叫ぶ現代において、ここにハンコ文化の決定版と呼ぶべき尻ハンコは忘れがたいカットだし、口笛and耳ホジーの反復もよかった。
クライマックスの呆気なさや爆風を横の関係性で捉えるカメラも良かった。
主人公の彼女が積極的でなによりでした。
イジー・メンツェル長編初監督作品。
第二次大戦下、ナチス・ドイツに占領されたチェコ・スロバキアの小さな村コストムラティ。主人公ミロシュ・フォルマは、父と同じように村の駅員となるが・・・という話。
アカデミー賞外国語作品賞受賞作品。

ユルく可愛らしい感じ。戦時下でありながら、あまり緊張感はない。
中心となるのは男女の関係。性的なメタファーがあったり、生肌へのスタンプがあったりと、フェティッシュな描写が多い。主人公が童貞卒業した時に盛大なファンファーレが鳴って、なんだこれって思った。

映像は美しい。特に汽車と蒸気、そして雪のショット。爆風の具合もすごい。
期待せずに観ましたが、全く飽きませんでした。ジャケットのこの印象的なシーンは冒頭すぐありますが、これ以外にもたくさん好きな撮り方があり、ストーリーはどうでもよくなるほどほんとにおしゃれで、楽しめました。もう一度観たいです。
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