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厳重に監視された列車のmiのレビュー・感想・評価

厳重に監視された列車(1966年製作の映画)
4.0
童貞拗らせムービーにして、チェコ版「この世界の片隅に」(戦争の余韻を薄味にして)
どうやら主人公の一家は今で言うボンボンであり、ボンクラ息子の道楽駅員だったのだろうが、楽して生きてるように思えても、実のところ苦悩やうまくいかないことがたくさんあるのが人生だと語りかけてくる。
ポスターのショットがマスターピース。
機関車を利用して物理的に離される距離が愛おしい。
手首を切る際に、刃物を固定すると言う逆転の発想で両の手首をイクのは一本取られた気分。
ハンコ文化撤廃を声高に叫ぶ現代において、ここにハンコ文化の決定版と呼ぶべき尻ハンコは忘れがたいカットだし、口笛and耳ホジーの反復もよかった。
クライマックスの呆気なさや爆風を横の関係性で捉えるカメラも良かった。
主人公の彼女が積極的でなによりでした。
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