ほのか

横道世之介のほのかのレビュー・感想・評価

横道世之介(2013年製作の映画)
3.9
人の名を冠した映画は、良くも悪くもその人に期待してしまう。
けど拍子抜けしてしまうほどに、彼は普通の人。

純真無垢でもなければ、聖人でもない。
めんどくさがりやし、お洒落からは程遠い。
(しかし高良健吾なのでゆるされる…)

ただ彼は人より正しいことに対して誠実で。
否定をせず、受け入れることに対して柔軟だ。

だから、彼に対してやましい事があると後ろめたいし、
下心が透けない言葉はスッと入ってくる。
正しい人に否定をされないと
自分もまるで正しい人であるかのように感じる。
故に、彼の隣にいることが心地いいんだと思う。







‪結構すきやったんやけどさ、これが横道世之介がいまも生きてる話やったとして、同じものをみたときに同じ感情が抱けるのかなっておもうと、うーん。どうなんやろ。
"死んだひと"を軸にして、その色目で感動ものを作るのって、なあ。どうなん?!ってわざわざそこにあらがっていく。

でも、ひとが亡くなっても、ひとの視界がこの世には残ってるって表現はエモーショナル感じるねえ。
その人自身の写ったものでもなく、その人が発した声でもなく、その人が纏ってた香りでもなく、その人が愛していた/大切にしてたものでもなく。
たしかにその人の視界にあった世界が残ってるんだね、写真は。そう考えたら写真を撮って残す意味もまた深い。