みかんぼうや

スティングのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

スティング(1973年製作の映画)
4.1
誰もが一度は耳にしたことがあるであろう名曲「ジ・エンターテイナー」とともに軽快に始まる本作品は、まさに「ジ・エンターテインメント」な映画である。普段映画を鑑賞する時に、「この映画ではどんな学びや気づきがあるのだろう?」などと、やや小難しく考え構えて鑑賞に入る癖のある私に、「そんなお堅いこと考えなさんなよ。変に構えなくても、単純に面白いものは物凄く面白いから。映画って色んな楽しみ方ができる最高のエンターテイメントだよ。」というメッセージが、冒頭の小気味よい音楽から伝わってくるのだ。

作り手によっては、実はスタイリッシュでスリル満点なマフィアやらアンダーグラウンド物になりそうな物語の背景とストーリー展開にも関わらず(ここ20年に作された作品だったらそうなっていたのでは?と思ってしまう)、途中途中に挿入されるピアノ中心のちょっと可愛らしささえ感じる音楽と章立てに分かれた話のテンポの良さが、作品全体をポップでコミカルな雰囲気に仕立て上げ、全体としては明るく楽しいワクワク感を感じる喜劇的な映画になっている。肩ひじ張らずになんとも楽しい時間を過ごすことができる、とてもエンターテイナーな作品。

約20年ぶりの再視聴でしたが、やはり面白かったです。初見では言うまでもなくアッと驚くクライマックスまでの脚本の面白さが強く印象に残る映画でしたが、改めて見ると、やっぱり映画全体の雰囲気が素敵なんだな~、とちょっと違う見方でまた楽しめました。そして、とにかくポール・ニューマンがカッコいい!しばらくお堅い考えさせられる系の映画を見続けていたので、見終わった時になんとも言えない心地良さを味わいました。とにかく「面白かった~!」というストレートな感想がしっくりくる映画です。
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