OASIS

13/ザメッティのOASISのレビュー・感想・評価

13/ザメッティ(2005年製作の映画)
3.0
深い森の奥で13人の男たちが大金を賭けてロシアン・ルーレットゲームを行う様をモノクロで描いた映画。

ジェイソン・ステイサムが出演している「ロシアン・ルーレット」はこの作品のリメイクらしい。そちらは未見。
どいつがステイサム兄貴の役なんだ?と思いながら観ていたが「絶対こいつしかいないだろ」という存在感を放つスキンヘッドが居たので、たぶん彼がそうだろう。もはやリメイク版を観なくても想像が出来てしまうくらいだが、万が一外れていた場合が怖いので観るか観まいか戸惑う。

お話は、貧しい青年が勤め先の家で謎の招待状を見つけ、主人に成り代わって参加するというもの。
目的地へ着くと、狭い部屋にわんさかと人が密集している異様な空間で繰り広げられる命懸けのロシアン・ルーレットが始まる。
狂気と欲望、そして死への恐怖が渦巻く空間で何とか正気を保とうとするため、参加者は無理矢理ドラッグでハイにさせられたりと狂った描写が饗宴を盛り上げて行く。

暗くて視界を遮られるモノクロ映像である為狭苦しい画面作りが終始続くが、弾が発射される時には白い硝煙が立ち昇って行くという画になる構図が挟まれたりして、黒光りする銃と吐息のような煙の作る黒と白を引き立たせていた。
ただ、弾を装填して撃つ→参加者が減って行く→そしてまた撃つというのの繰り返しなので最後の方になると目新しさは無くなって行く。
緊張感を作り出してはいるが、観ている側はまだしも主人公の青年ですらどこか「俺は絶対大丈夫」というような雰囲気を漂わせているのでそれがハラハラ感を弱くしていると感じた。

ただの運が良過ぎるという一点突破で勝ち抜いて行く部分に何らかのロジックが欲しかった所でもある。
会場に辿り着くまでの前半部分で語られる青年のドラマがやや長く、突然知らない世界に放り込まれるというサスペンス要素も弱くて序盤は冗長に感じてしまった。
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