YuikiKoiwa

ジャズ・シンガーのYuikiKoiwaのレビュー・感想・評価

ジャズ・シンガー(1927年製作の映画)
4.5
ジョルスン物語を鑑賞して以来、ずっと観たかった作品。

大スペクタクルや皮肉な脚本がもてはやされる今、この作品を振り返りたい。



描かれるのは父の愛と母の愛。

父の愛は正しさと厳しさ。母の愛は際限の無い優しさ。

それらを一身に受けた主人公の思いは、歌として表現される。

たとえ一度は家を離れた彼にとっても、両親の存在は帰る場所であり続けた。

親の愛は無くなることがない。

そんなシンプルな映画。



世界初となるトーキー映画である本作、歌の力をはっきりと感じることができた。

公開当時、観客は目の前のスクリーンでアルジョルスンが歌う姿に感動したことと思う。

また部分トーキーであり、歌のシーン以外はほぼサイレントであるためセリフは短い。

だが、同時に何かを伝えるのは言葉だけではなく表情や身振り、音楽でもあるのだろう。

今の作品と比べれば、モノクロで音質も良くないのかもしれない。

ただ、余計な演出が無いからこそ際立つ事もあるように思う。
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