とり

ゾンビーノのとりのネタバレレビュー・内容・結末

ゾンビーノ(2006年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ずっと気になってたゾンビ映画。
期待しすぎてたかな~、でもそれなりに面白かったです。
亜流ゾンビものとしてはよくできてるので、このレベルで文句などとても言えません。
声に出して笑えるところもあったし、多くはないけどぶっ飛んだシーンも何箇所かあった。
ほのぼのゾンビ系(そんなジャンルがあるなら)なので、グロ度はいちじるしく低いです。
ゾンビ軍団に襲われてむさぼられるシーンがない、と言ってもいいほどの状況だったのが一番残念でした。
1人もしくは少数に襲われるシーンは風刺が効いていて新鮮でした。
とにかく音楽が超ほのぼの。
街並みもファンタジーの世界のように美しくて、住民の暮らしぶりもとても素敵です。
ゾンビを飼いならして奴隷にしてるからですかね。
絵に描いたような上流の白人社会って感じの風景なんだけど、よく見ると道路脇やら庭先やら、そこかしこに黙々としかもノロノロとぎこちない動きで労働に従事するゾンビ。
主人公の少年もよく健闘してました。
こんな不気味な映画でけっこう難しい役柄だったと思うけど、すごく作品の中に溶け込んでるというかいい意味で違和感を感じる演技。
母親がやけに美人で誰かに似てるな~と思いながら観てたんですが・・・エンドロールでまさかのキャリー・アン・モス。超ビックリ。
まさかこんなB級ちっくなゾンビ映画に出るとは。あの妊婦姿は本物ってことかな。
そしてこの一家の奴隷としてやってきたゾンビが非常にいいんです。
この人の存在で作品レベルがドドーンと跳ね上がってる気さえしてきます。
よく見るとけっこうイケメンっぽかったり、生前どんな魅力的な人間であったかが想像できる、そんなゾンビぶりでした。
ある意味ゾンビ映画に対する一つの回答でもある作品でした。
なんというか、ゾンビのいる世界って命の価値観が大きく変わるんだなぁって、こんな映画で考えさせられちゃった。
自分が死んだらゾンビ化を希望する、そういう生き方もありなんですね~。
ちなみにこの作品のゾンビは「ノロノロタイプ」でした。可愛くてよい。
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