三隅炎雄

続渡世人の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

続渡世人(1967年製作の映画)
2.1
監督脚本、梅宮辰夫・鶴田浩二・若山富三郎の組み合わせは前作と同じ。構成もほぼ焼き直しだが、日本の大陸侵略と軍部とつるんで金儲けを企むやくざの両方が完全否定されていた前作に対し、こっちは良いやくざと悪いやくざが大陸の利権を巡って争う話になっていて思いっきりずっこける。
短期間ででっちあげられた脚本なのは明らかで、演出も前作とは真逆の雑さ、撮影期間自体短かったのではないか。結末は、もうやってられんわと演出家脚本家がわざやったのかと思うくらい間が抜けている。大陸から霧雨の中帰ってきた鶴田浩二を背後から捉えたショットは、美しく念入りに撮られていて印象に残る。
こう話に仕掛けのないストレートな着流し任侠物だと、梅宮の個性は生きない。主題歌も兼ねる城卓矢も、生き生きとした前回と違ってありきたりのヤクザ役であった。
三隅炎雄

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