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シザーハンズのnkのレビュー・感想・評価

シザーハンズ(1990年製作の映画)
3.9
優しくあろうとするほどに人を傷つけてしまう人の物語。人の手によって産み落とされた異形の者の孤独という意味では『フランケンシュタイン』の変奏曲と言えるだろうか。暗い怪しげな洋館の世界と、蛍光色に埋め尽くされた田舎町の対照。中盤までは『バグダッド・カフェ』を思わせるような楽天的な雰囲気だったのが、ある出来事を経て事態は急変。マジョリティの都合のいい時だけもてはやされ、利用され、やがて激しく排斥されるエドワード(ジョニー・デップ)の姿には、様々な寓意を読み込むことが可能だろう。彼が降らせる「雪」の中を踊る少女って、小っ恥ずかしいくらい直球なロマンチズムで素敵。もっとも、そのロマンチズムを支えるためにいかにもなクズ男を出してきたりするところなどは、ちょっとどうかという気もしたが。
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