ハリ

シザーハンズのハリのネタバレレビュー・内容・結末

シザーハンズ(1990年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

手がハサミで出来ている人造人間エドワードと一人の少女の切ないラブストーリー

人の心を持たぬまま孤独に生きていたエドワード。心優しい家族に迎えられ初めて発明家の城から街に出る。

とてもカラフルでポップな街並みとモノクロでダークな雰囲気を纏っているエドワードとの対比が描かれていた。
どんどん人間味を帯びて行くが孤独で生きていたエドワードは愛し方が分からない。傷つけてしまう為に抱きしめる事も出来ない。物理的な距離と共に精神的な距離がハサミによって隔たりが出来てしまうもどかしさがとてと良く伝わってきた。

クリスマスに氷の彫刻を削り雪を降らすシーンは何か一波乱が起きた今まで、そしてこれから起きそうな鬱々とした展開をかき消す名シーン。

あれだけ持て囃した街の人々に掌返しをされ街を追い出され、キムの恋人?を殺害してしまうという怒涛のダークな展開。街に居られなくなったエドワードはキムと別れる事になってしまう。お城で初めて心が繋がったがその瞬間に別れが来てしまうという悲しい終わり方。

ラストでは冒頭の語り部がエドワードと愛し合ったキムと判明し、城から氷の彫刻を削り街に雪を降らしているという何ともファンタジーな終わり方。

人の心を持たぬ人造人間と人間の心が通じ合うラブストーリーであり、エドワードの人馴れしていない演技や表情も相まってバッドエンドながらも悲しい気持ちにならない映画だった。観ている者を飽きさせない展開が要所で繰り広げられていたのも好印象。
個人的評価:名作
ハリ

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