ブラックユーモアホフマン

熱帯魚のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

熱帯魚(1995年製作の映画)
4.7
怒涛の展開!
どんどん予想外の方向に進んでいって見たことない物語が紡がれていくんだけど不思議とそこに感動がある。

数年前にリストアされてK’s cinemaとかでやってた時、なんだかんだで見逃しちゃってたから今回観られてよかったなー。『ラブゴーゴー』も気になるなー。

ちょっと不出来でやさぐれ気味の少年が叶わぬ恋をする感じは作品のトーンは違うけど同じく台湾映画である『牯嶺街少年殺人事件』を思い出したりして、でもこの予想のつかない展開と不思議な感動の味わいはポン・ジュノを想起させたりした。好きだなぁ。

大人が子供以上に無垢で呑気。こういう映画いいよなー。なんかチャウ・シンチーの映画にも通ずるような。終盤は『ソナチネ』の中盤とかの、たけし映画を思い出したりもしたけど、ああいう子供みたいな大人の姿から受ける感動って、なんだろうか。プーさんとかバカポンパパとか見てると泣きそうになるのと同じだろうか。

あと全体的に岩井俊二っぽさ。色彩とか少年を撮る眼差しとか?多分、チェン・ユーシュン監督と岩井監督は同世代だから、同じような映画を観てきてるんだろうな。

【一番好きなシーン】
ラスト、車に乗って、さあ!と『ノッティングヒルの恋人』的な爽快感のあるラストかと思いきや、あの子からの手紙が読まれて意外にも湿っぽく終わる。すごいと思った。メリハリが効いてる。