シャチ状球体

スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃のシャチ状球体のレビュー・感想・評価

3.3
オビ=ワンとアナキン、二人とも衝動的だったり意見を譲らないところが似ていて、相性が超悪いので見ていてハラハラする。
アナキンは元々クワイ=ガンだけが才能を見出していたから、オビ=ワンにとってもどう接すればいいのかが決められないで悩んでいる感じ……いいよね。

というか、EP1ではヨーダも他の評議会メンバーもアナキンをミディ=クロリアン数値が高い代わりに感情を制御できずにフォースを乱す恐れがある、と危険視してたのに、今作ではフォースにバランスをもたらす存在……とメイスも含めて態度が180度変わっているのは何故……?

パドメを狙う謎の暗殺者関連の退屈なシークエンス(これは前作でやっておくべきだった)、パドメとアナキンの古典的過ぎるラブストーリー……EP9を除くシリーズの中では最も実りの少ない作品。

ヨーダとメイス=ウィンドゥ以外の評議会メンバーはタカ派ばかりで、ダース・シディアスが支配しなくても同じ結末になっていたのではないかと思う。
銀河共和国と銀河帝国の関係は、ワイマール共和国がナチス・ドイツに変遷していった歴史をモチーフにしているのは自明だけど、プリクエルの3部作だとその一部(自衛のためという名目で軍隊を設立し、国を守るためという名目で他国へ侵略する過程ぐらい)しか描かれないので、そもそもどうしてコルサントの議会が腐敗していったのかが全然分からない。
EPの舞台をもっと前の時代に設定するか、アナキンとパルパティーン、そしてシスの関係にもっと(映るところだけ)焦点を当てるべきだった。

そして、肝心のアナキン・スカイウォーカーがそういった政治劇と特に関りがないというのがプリクエルの全体の緩慢さに繋がっている。全てが予定調和というか、説明的すぎて個々のキャラクターに独立性が乏しい。

でも、今回から新しく使われている曲、"Across the stars"が最高にエモーショナルで後のことは全て忘れたので万事OKです。あとオビ=ワン。
シャチ状球体

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