がちゃん

少林サッカーのがちゃんのレビュー・感想・評価

少林サッカー(2001年製作の映画)
3.8
製作から20年以上も経っているんですね。
理屈抜きで面白いから大好きです。

八百長がらみで足を折られ落ちぶれていった“黄金の右足”と呼ばれたサッカーの元エースストライカー。

街を歩いているときに不思議なカンフー使いの青年に出会い、その底知れぬパワーを感じた彼はサッカーチームを作ろうと考える。

カンフー使いの青年も、なんとかカンフーを普及させたい強い思いがあったので、二人の利害は一致。
さっそくチーム作りのため、
カンフー修業時代の兄弟子、弟弟子を訪ね周りチームに入れようとするのだが・・・

この作品のワイヤーアクションの使い方こそが、正しい使い方ですよね。
そしていつも私はCGに対して文句を言うことが多いですが、
この作品のCGの使い方も正しい。

もともとあり得ない設定を大袈裟にハッタリをかますのに見事に成功している。

試合を重ねるごとに派手になっていく試合展開と言ったら楽しくて仕方ない。

敵チームの様相がウォルター・ヒル監督の『ウォリアーズ』(1979)を連想させてくれますしね。

ブルース・リー愛も楽しく、ゴールキーパーは『死亡遊戯』(1978)でおなじみ黄色いトラックスーツ。
様になっててカッコいい。

饅頭売りの暗い影を背負った太極拳使いの少女が、主人公の靴を縫ってあげるエピソードもいいですね。
そして、この少女、きっとクライマックスで活躍するぞと思っていたらその通り。
予想できる展開ではありつつも興奮を誘われるシーンであります。

ギャグがいささか汚いのに閉口しますが、全体の出来栄えからみたらたいした減点にはならない。
昔から香港映画はこうだしね。

監督は、漫画“キャプテン翼”から着想を得たとのことですが、その漫画を知らない私にとっては、サッカー版“アストロ球団”のような気がしました。

大会が終わった後、街を主人公がジョギングしていると、街の様子がガラッと変わっているところなんか、“バック・トゥー・ザ・フューチャー(1985)”で主人公マーティーが過去を変えて現代に戻ってきたシーンを思わせるくらいでした。

オープニングとエンディングをリンクさせているところが作劇的に上手いですね。

あれこれ理屈はいらない香港らしい娯楽映画です。
がちゃん

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