shinobu

フルメタル・ジャケットのshinobuのレビュー・感想・評価

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)
4.2
久しぶりの鑑賞。
やはり第1部の鬼のハートマン先任軍曹のしごきシーンが凄い。

海兵隊に志願した若者を聞くに耐えない汚い罵りで徹底的に精神を破壊する。

しかし、これには意味がある。
イニシエーションって奴だ。

このしごきで精神を破壊されて1度死ぬ。そして兵士として生まれ変わるのだ。Born To Kill

兵士にじゃなくても、古今東西に大人に社会人になるための儀式がある。
アボリジニではバンジージャンプが成人式だったという。
無垢だった青年期までの自分を1度殺し、そして大人に生まれ変わる。

まぁ今の日本でも、例えば大学生になったら、会社に勤め組織に属したら、町内会に入ったら、PTAに入ったらなどなど、若い頃は家族と君と僕だけでよかった世界もそれだけではいられなくなる。良いか悪いかは置いといて。社会人として生まれ変わるのだ。

第2部は見事に兵士になった若者がどういう風になるかを描く。

まるでドキュメンタリータッチのように兵士達の内面に少し距離を置きただただ戦争を描く。

キューブリックは反戦映画を作りたかった訳じゃなくて、兵士になるというのはこう言う事だ!とだけ伝えたかったんだろう。
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