人間が、殺人の仕事を遂行する人間になるまでの過程と葛藤がユーモラスに描かれている素晴らしい作品だと思いました。
冒頭40分ほどある訓練のパートから、ベトナム戦争への話。作品を通してジョーカーの人間っぽさに惹かれる。
訓練のパートはハートマンの発言に対する字幕が秀逸だと思う。入隊直後ぼーっとしていたレナードに起こる様々な出来事とその変貌ぶりに驚く。「サーイエッサー」等の言葉のリズムがテンポ感を生んでいてとてもいい。
戦争のパートでは、さっきまで笑っていた仲間たちと共に戦地に足を踏み入れると、次の一歩で撃たれてしまうかもしれない恐怖が襲いかかる。報道対策のシーンもおもしろい。ラストシーンの歌は狂気を感じる。
戦争という重い題材だからこそ、どれだけ過激に、ユーモアを持つ作品なのかが大事だと思います。