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見知らぬ乗客のktyのレビュー・感想・評価

見知らぬ乗客(1951年製作の映画)
3.9
主人公の健康的なテニス選手と、何考えているかわからないサイコパスの男が出会う最初のシーン、二人の男がタクシーから降りて、二人の靴が車内でぶつかり合うまで、足しか見せない。カットのつなぎがリズミカルで冒頭から期待させてしまいます。

テニスのゲームの組み立て方、小道具のライターのクロスするテニスラケットのデザイン、メガネのレンズ、様々な人達がペアで登場するなど、とにかく二という題材が、交換殺人というテーマを強調し印象に残りました。

一方で何気ないシーンでも、ときおり奇数にこだわった構図、絶妙なアングル、モブの自然な演出、ため息が出ました。

回転木馬は映画史に残る名場面、これだけでも必見です。定本によるとある登場人物があと5センチ首をもたげていたら命がなかったので、二度とこんな危ないシーンは撮りたくないと監督に言わしめる迫力でした。
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