カタパルトスープレックス

人生劇場 飛車角と吉良常のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

人生劇場 飛車角と吉良常(1968年製作の映画)
3.9
内田吐夢監督による『人生劇場 飛車角』(1963年)のリメイクで、鶴田浩二と高倉健の再演。

とはいえ、内田吐夢監督は青春編を以前に映画化してるんですけどね。今回は残侠編の映画化。以前に扱った題材とは言え、歴史的な作品のリメイク。

ボクは映画作品の質としては本作のほうが上だと思います。ストーリーもキャラクター造形もよりリアルで緻密になっている。特におとよ(藤純子)がなぜ飛車角(鶴田浩二)に惚れたのか、その後に宮川(高倉健)に惚れたのかがちゃんと描かれている。1963年の作品だと男の話なので、女の心情までは描ききれていない。

高倉健は前作から『網走番外地』をはさんで役者としての格が上がったため、前作より重い感じ。

本作はキャラクター造形もリアルで丁寧に描かれていると思います。それでも魅力は是作より劣ってしまっている。なんでなんですかね。前作の鶴田浩二の方がカッコよく思ってしまう。月形龍之介の吉良常の方がドッシリしていると思ってしまう。