アプレゲールという割には光クラブのメンバーを演じる役者は老けてるし夏八木勲のキャラクターと主人公の人間像があまり噛み合っていないので戦後台頭する新人類のドラマとしては今一つだけれど、被害者なり裏社会の顔役をとんでもなく豪華なバイプレーヤーたちに演じさせてそんな彼らを主人公たちが利用してのしあがることでピカレスクドラマとしての面白さは堪能できる。なかでも佐藤慶の騙された演技はレア(悔しそうな演技がまたいい)。
でもマッチョな夏八木勲といかにも切れ者そうな検事天知茂の対決は濃厚すぎてちょっと胃もたれしそうに。
様々な手口で法律の裏をかいて暗躍する詐欺師のドラマという割にはそのテクニックが単純すぎないかというのも気になるが、エンタメの犯罪映画でそんな突っ込みは野暮か。
ちなみに当初は主人公の鶴岡に渡哲也や松方弘樹が候補に挙がっていたというが、二人ともインテリなイメージがないので演じても成功していたかどうか想像がつかないな。